TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2014年4月20日放送)

TOKIO HOT 100 2014-04-20 放送回ランキング ランキング

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2014年4月20日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2014年4月20日放送回)。

この週の音楽シーン

2014年4月20日放送分の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、平井堅とfeat.安室奈美恵による「グロテスク」だった。平成J-POPを語るうえで欠かせない二人のシンガーが同じ楽曲の中で声を重ねるという事実だけで、当時のリスナーには十分な衝撃があったはずだ。平井堅は繊細な高音とR&B的な歌い回しでバラードからミッドテンポの楽曲まで幅広く聴かせてきたアーティストであり、一方の安室奈美恵は沖縄出身のダンス・ヴォーカリストとして90年代から日本のポップシーンを走り続けてきた存在。二つの異なる質感を持つ声が一曲の中でどう絡み合うのか、その一点だけでもチャートの頂点にふさわしい話題性を持った楽曲だったと言える。「グロテスク」という挑戦的なタイトルからも、単なる甘いデュエットソングに収まらない緊張感やドラマ性を志向していたことが窺える。 この週のTOP10を見渡すと、邦楽・洋楽が入り乱れる当時のラジオチャートらしい多様性が浮かび上がる。2位にはゲスの極み乙女。の「パラレルスペック」がランクインしており、変拍子やジャズ的なコード進行を大胆に取り入れたバンドサウンドが、既存のJ-POPの文法をかき乱すように登場してきた時期だったことを思い出させる。4位の星野源「桜の森」、8位の福山雅治「暁」、9位のSEKAI NO OWARI「炎と森のカーニバル」といったラインナップも、それぞれ異なるアプローチで邦楽ポップスの奥行きを示していた。星野源はソロアーティストとしての独自の音楽性を深めていく過程にあり、SEKAI NO OWARIはファンタジックな世界観とアリーナ規模のスケール感を併せ持つバンドとして支持を広げていた時期でもある。 洋楽勢に目を向ければ、3位にPharrell Williamsの「Happy」、5位にIdina Menzelの「Let It Go」が並んでいるのが印象的だ。前者はシンプルながら耳に残るグルーヴで世界中を踊らせたヒットソングであり、後者はディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌として日本でも社会現象的な広がりを見せていた楽曲だ。映画音楽がラジオチャートの上位に食い込んでくる現象は、当時のヒットの生まれ方が映像作品とのタイアップやSNSでの拡散と密接に結びついていたことを物語っている。7位のPrince feat. Zooey Deschanelによる「Fallinlove2nite」も、映画界とポップミュージックの距離が近づいていた時代の空気を感じさせる組み合わせだ。10位のDirty Loopsは、テクニカルな演奏力とポップなメロディセンスを両立させたスウェーデン出身のトリオで、SNS発で世界的に注目を集めていったアーティストとして記憶されている。 こうして並べてみると、この週のチャートはバラード、ロック、ダンスポップ、映画音楽、テクニカル・フュージョンと、ジャンルの境界が緩やかに溶け合っていた瞬間を切り取っているように見える。その頂点に立った「グロテスク」は、二人のベテランシンガーが持つ経験値と表現力を、あえて予定調和ではない形でぶつけ合わせた楽曲として、当時のリスナーの耳に強い印象を残したのではないだろうか。ラジオから流れてくる一曲一曲が、まだCDやダウンロード、そして徐々に広がり始めていたストリーミングという複数の聴取スタイルの中で受け止められていた時代。そのど真ん中で鳴っていたのが、この「グロテスク」だったということを、改めて記憶しておきたい。

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2014年4月20日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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