TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2012年6月10日放送)

TOKIO HOT 100 2012-06-10 放送回ランキング ランキング

本ページには広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト等)を含みます。

2012年6月10日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2012年6月10日放送回)。

この週の音楽シーン

2012年6月10日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ノラ・ジョーンズの「HAPPY PILLS」だった。ジャズ的な佇まいで一世を風靡した彼女が、この曲を含むアルバム『リトル・ブロークン・ハーツ』でデンジャー・マウスをプロデューサーに迎え、エレクトロニックな質感とダークな抒情性を纏った音世界へと踏み出したことは、当時のリスナーに小さな驚きを与えていた。ピアノとハスキーな歌声という彼女の代名詞はそのままに、音像のレイヤーがぐっと現代的になった一曲で、都会的な選曲を掲げるこの番組の1位にふさわしい存在感を放っていたのを思い出す。

この週のTOP10を眺めると、邦楽と洋楽、メジャーとインディー、ポップとオルタナティブが渾然一体となって並んでいたことがよくわかる。2位には映画主題歌としても知られる平井堅の「告白」、3位にはRIP SLYMEのPESがソロ名義で放った「女神のKISS」、4位にはサカナクションの「僕と花」が入り、日本語詞のポピュラー音楽が持つ叙情性と実験性が競い合うように上位に食い込んでいた。6位の大橋トリオ「フラワー」、10位の木村カエラ「マミレル」も含めて、この時期の邦楽シーンは打ち込みとバンドサウンドの境界が曖昧になりつつある過渡期にあったと言える。

一方で洋楽勢も粒ぞろいだった。5位のカイリー・ミノーグ「TIMEBOMB」は、ダンスミュージックの女王としての貫禄を保ちながらも軽やかなシンセポップへと接近した楽曲で、7位のマルーン5「PAYPHONE」はウィズ・カリファを迎えたことでロックバンドがヒップホップ的な語法を取り込む流れを象徴していた。9位にはカーリー・レイ・ジェプセンの「CALL ME MAYBE」がランクインしており、この曲がのちに世界中を席巻する現象的ヒットへと駆け上がっていく、その入口の時期の空気を今のリスナーが振り返るとなお興味深い。

8位のきゃりーぱみゅぱみゅ「CANDY CANDY」も見逃せない。中田ヤスタカが手がけるカラフルでハイテンションなサウンドプロダクションは、Perfumeが切り開いたテクノポップの地平をさらにポップカルチャー全般へと拡張していく途上にあり、この週のチャートの中でもひときわ異彩を放つ存在だった。国内外を問わず、当時はEDMが本格的にメインストリームへ浸透する少し手前の時期であり、シンセサイザーの音色やビートの組み方に各アーティストがそれぞれの解釈を加えていた、そんな多様性が凝縮された週だったとも言えるだろう。

ジャズ出身の歌姫が電子的な音響世界へ踏み出した「HAPPY PILLS」を1位に据えつつ、邦楽ロック、日本語ラップ由来のソロ活動、王道J-POP、そして越境的な洋楽ヒットが並列するこの週のTOP10は、ジャンルの垣根が溶けていく2010年代前半の音楽シーンの縮図として、今聴き返しても発見の多いラインナップだ。

🎧 この曲を聴くなら[PR]

2012年6月10日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

ワイヤレスでも高音質で[PR]

次の週(2012年6月17日) »

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました