TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年9月24日放送)

TOKIO HOT 100 1989-09-24 放送回ランキング ランキング

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1989年9月24日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年9月24日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年9月24日放送分のTOP10を眺めると、この週のアメリカン・ポップスの勢力図がくっきりと浮かび上がってくる。1位に輝いたのはジャネット・ジャクソンの「MISS YOU MUCH」。前年に発表されたアルバム『Rhythm Nation 1814』からのシングルで、ジャム&ルイス(ジミー・ジャム&テリー・ルイス)のプロデュースによる、当時最先端のダンス・サウンドが詰め込まれた一曲だ。1986年の『Control』でセルフプロデュース色の強い自立した女性像を打ち出したジャネットは、この続篇的アルバムで社会的なメッセージ性とダンサブルなグルーヴを融合させ、80年代末のブラック・コンテンポラリー/R&Bシーンを牽引する存在になっていた。「MISS YOU MUCH」はその中でも特にポップな親しみやすさを備えた曲で、シンコペーションの効いたビートと、シャープに刻まれるシンセ、そしてジャネット自身のタイトなボーカルワークが心地よく絡み合う。ニュー・ジャック・スウィングの萌芽期にあって、ダンスミュージックがラジオのメインストリームで堂々と1位を獲得できる時代の空気を象徴する存在感がある。

TOP10全体を見渡すと、この週は新旧のスタイルが入り混じっているのが興味深い。2位にはローリング・ストーンズの「MIXED EMOTION」がランクインしており、結成から四半世紀以上を経てなお現役感を失わないベテラン勢の底力を感じさせる。一方で5位のマドンナ「CHERISH」、7位のプリンス「PARTYMAN」は、それぞれ独自のポップ・アートを追求し続けるアーティストたちの新展開を示しており、80年代を代表するスター同士がひとつのチャートの中で並び立つ贅沢さがある。3位のグロリア・エステファンや9位のベイビーフェイスといった名前からは、ラテンやR&Bのエッセンスがポップスの主流に溶け込みつつあった時代の潮流も読み取れる。

また4位のティアーズ・フォー・フィアーズ「SOWING THE SEEDS OF LOVE」は、80年代前半のシンセポップから一歩踏み出し、ビートルズ的なサイケデリアを大胆に取り入れた意欲作で、当時のロックリスナーにも新鮮な驚きを与えた。8位のリチャード・マークス「RIGHT HERE WAITING」のようなバラードがしっかり存在感を示している点も、この時期のアメリカン・チャートらしい懐の深さだ。ダンスミュージックとロック、そしてAORバラードが同じ舞台で共存できていたこと自体が、いま振り返ると贅沢な音楽環境だったと感じさせられる。10位にはミリ・ヴァニリの「GIRL I’M GONNA MISS YOU」がランクインしており、当時絶大な人気を誇っていたユニットのサウンドが、いかに時代のダンスポップの需要にマッチしていたかもうかがえる。

こうして俯瞰すると、1989年秋のこの週は、80年代ポップスが爛熟期を迎えつつ、次の10年に向けてダンスミュージックの比重を高めていく過渡期の空気をよく映し出している。1位の「MISS YOU MUCH」が持つ、ミニマルながら緻密に組み立てられたグルーヴは、後のR&B/ヒップホップ的なプロダクションへの橋渡し役を果たした一曲としても再評価に値するだろう。往年の名曲たちが並ぶこのTOP10は、当時のラジオから流れていた空気を追体験させてくれる貴重な記録であり、あらためて聴き直すことで、それぞれのアーティストが同時代に鳴らしていた音の質感の違いを楽しむことができるはずだ。

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1989年9月24日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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