TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年2月12日放送)

TOKIO HOT 100 1989-02-12 放送回ランキング ランキング

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1989年2月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年2月12日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年2月12日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはフィル・コリンズの「TWO HEARTS」だった。この曲は映画『ビッグ』を手がけたペニー・マーシャル監督の作品『バックトラック』のために書き下ろされた楽曲で、モータウン・サウンドへのオマージュが色濃く漂うナンバーだった。共作にはモータウンの伝説的プロデューサー、ラモント・ドジャーの名前も連なっており、ジェネシスのフロントマンとしてもソロアーティストとしても80年代を代表する存在だったフィル・コリンズが、自身のルーツともいえる60年代ソウル/R&Bへの愛情を惜しみなく注ぎ込んだ一曲として記憶されている。当時のアメリカン・チャートでも上位に食い込み、日本のリスナーにも広く浸透していたことがうかがえる。

この週のTOP10を眺めてみると、80年代後半という時代の空気が濃厚に立ち込めている。2位のデビー・ギブソンや4位のティファニーは、当時のティーンエイジ・ポップシーンを牽引した二大アイドル的存在で、両者の存在はこの時代のアメリカン・ポップスの若さと明るさを象徴していた。一方で6位にはリック・アストリーが登場しており、ストック・エイトケン・ウォーターマン(SAW)が手がけるダンサブルなプロダクションが引き続き支持を集めていたことも見て取れる。ソウルフルな歌声とキャッチーなメロディの融合は、この時期のヒットチャートに共通する重要な要素だった。

8位にはU2の「ANGEL OF HARLEM」がランクインしている。彼らが前年に発表したアルバム『魂の叫び』(原題:Rattle and Hum)はアメリカ音楽への敬愛に満ちた作品であり、ブルース・ソウル・ゴスペルといったルーツ・ミュージックへの接近を鮮明にしていた時期だった。ロック・バンドがアメリカーナ的な要素を取り入れる流れは、フィル・コリンズのモータウン愛とも響き合うものがあり、この週のチャート全体を通じて「ルーツへの回帰」という共通したムードを感じ取ることができる。

9位のボビー・ブラウンは、ニュー・ジャック・スウィングという新しいムーブメントの中心人物として台頭しつつあった存在で、ニュー・エディション時代を経てソロとして開花した彼のスタイルは、後のR&Bシーンの方向性を決定づける重要なピースだった。10位のニュー・オーダーは、マンチェスターのポスト・パンク/エレクトロニック・シーンから登場したバンドで、彼らのダンスミュージック的な感性は、後のUKロックの潮流にも大きな影響を与えていく。

こうして並べてみると、1989年という年がポップス、ロック、R&B、ダンスミュージックといった複数のジャンルが交錯し、次の90年代への橋渡しをしていた時期だったことがよくわかる。フィル・コリンズの「TWO HEARTS」が首位に立っていたこの週は、まさにその過渡期の豊かさを象徴する一枚のスナップショットだったといえるだろう。当時ラジオから流れてきたこれらの楽曲を思い出しながら聴き直してみると、あらためて時代の空気感が蘇ってくるはずだ。

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1989年2月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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