TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2023年3月5日放送)

TOKIO HOT 100 2023-03-05 放送回ランキング ランキング

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2023年3月5日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2023年3月5日放送回)。

この週の音楽シーン

2023年3月5日放送分の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、新東京の「ポラロイド」だった。国内外の新譜が入り混じるこの番組らしく、同じ週のトップ10には海外のインディーポップからR&B、国内のシティポップ的な感触を持つ楽曲までが並び、聴き手にとっては一枚のプレイリストのように多層的な時間だったはずだ。その中心に据えられた「ポラロイド」というタイトルには、瞬間を切り取って手元に残すという、当時のリスナーの気分と重なるものがあったように思える。コロナ禍を経て人々の生活様式が少しずつ street へと戻りつつあった時期、誰もが「今この瞬間」をどう記録し、どう手放さずにいられるかを考えていた。そうした空気の中で、タイトルそのものが持つノスタルジックな手触りが、多くの耳に自然に届いたのではないだろうか。

2位にはCHILLI BEANS.とVAUNDYが共演した「ROSE」がランクインしている。国内のシーンでは、ジャンルを横断したコラボレーションが当たり前になりつつあった時期であり、バンドとソロアーティストという異なる文脈を持つ二組が交わることで生まれる化学反応は、当時のリスナーにとって新鮮な驚きだった。3位のARLO PARKS「WEIGHTLESS」、6位のbeabadoobeeによる「GLUE SONG」など、海外のインディー/ベッドルームポップ的な感性を持つ楽曲が上位に食い込んでいる点も見逃せない。彼女たちの音楽は、SNSを通じて日常の断片を共有する世代の感覚と地続きであり、日本のリスナーにも違和感なく浸透していった。

一方でJASON MRAZの「I FEEL LIKE DANCING」やSAM SMITHの「I’M NOT HERE TO MAKE FRIENDS」、LIZZOとSZAによる「SPECIAL」といった楽曲は、より開放的でポップなグルーヴを携えている。マスクを外し始めた時期の街の空気と、こうした踊れる楽曲群が同じ週に共存していたことは、当時のムードを象徴していたと言えるだろう。国内勢では7位にBE:FIRSTの「BOOM BOOM BACK」が入り、K-POP的な洗練されたパフォーマンス性を持つグループが日本のチャートに確かな地位を築きつつあった時代でもあった。8位の由薫「星月夜」、9位のとた「紡ぐ」は、いずれも歌の力そのものに重心を置いた楽曲であり、ダンスミュージックやインディーポップと並んでも埋もれない存在感を放っていた。

こうして振り返ると、この週のトップ10は、国内外・ジャンル・世代を問わず「今の気分」を等しく反映した縮図だったように見える。その頂点に立った新東京「ポラロイド」は、派手さで押し切るタイプの楽曲ではなく、むしろ静かに時代の温度を掬い取るような立ち位置だった。写真という比喩がそうであるように、音楽もまた、聴かれたその瞬間の空気を封じ込める力を持っている。2023年の春先、コロナ禍からの回復期にあった街の気配と、この曲が持つどこか懐かしく柔らかな質感は、確かに響き合っていたのではないか。当時この番組を聴いていたリスナーにとって、このトップ10はただのランキングではなく、あの季節の記憶そのものとして残っているはずだ。

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2023年3月5日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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