2002年10月13日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2002年10月13日放送回)。
この週の音楽シーン
2002年10月13日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、この週の1位はMISIAの「DON’T STOP MUSIC!」だった。デビューから数年、圧倒的な歌唱力を武器にR&B/ソウルの文脈で支持を広げてきたMISIAが、タイトルそのままに踊れるダンスチューンで頂点に立っていたことは、当時の彼女の音楽的な振れ幅を象徴している。バラードや歌謡曲的な湿度の高い楽曲だけでなく、グルーヴを前面に出したアップテンポの曲でも存在感を発揮できるというのは、単に「歌える人」ではなく「時代のポップミュージックを更新できる人」であることの証明でもあった。2000年代前半の日本のメインストリームR&Bシーンは、宇多田ヒカルや倉木麻衣らとともにMISIAが牽引していた時期であり、この1位という結果はその立ち位置をあらためて示すものだったといえる。
TOP10全体を眺めると、洋楽・邦楽が国籍もジャンルも問わずに並ぶ、当時のJ-WAVEらしい選曲の幅広さが見えてくる。2位にはUKのダンス/エレクトロニカ・デュオ、UNDERWORLDの「TWO MONTHS OFF」。クラブミュージックの文法をそのままラジオのヒットチャートに持ち込む懐の深さは、この番組の特徴でもあった。3位にはローリング・ストーンズの「DON’T STOP」。結成から数十年を経てなお現役感を失わないベテランバンドの新曲が、若い世代のアーティストと同じ土俵で聴かれていたことは象徴的だ。4位の桑田佳祐「ROCK AND ROLL HERO」は、日本語ロックの語り部として不動の地位を持つソロアーティストの一曲。日本語ポップスの厚みを感じさせるラインナップだった。
5位のTAHITI 80はフランス発の透明感あるギターポップで、渋谷系以降のリスナーにも支持されたバンド。6位にはこの年デビューしたてのアヴリル・ラヴィーンが「SK8ER BOI」でランクイン。ティーンのリアルな感情をパンク/ポップのサウンドに乗せた彼女の登場は、その後数年のポップシーンの空気を大きく変える出来事だった。7位のベック「LOST CAUSE」は、フォークトロニカ的な内省的サウンドで、オルタナティブロックの成熟を感じさせる一曲。8位のDOUBLE、9位のINDIA.ARIEは、それぞれ日本と米国のR&B/ネオソウルの担い手として、MISIAの1位と地続きの音楽性を持つ存在だった。そして10位にはケツメイシの「花鳥風月」。J-POP的な親しみやすさとレゲエ/ヒップホップのグルーヴを融合させた彼らの音楽性は、この後の日本のメロウなヒップホップシーンを予感させるものだった。
こうして並べてみると、この週のTOP10は洋楽のロック、エレクトロニカ、ネオソウル、そして邦楽のR&Bやヒップホップ・レゲエまでを横断し、ジャンルの垣根なく「良い曲」を並べるという、当時のシティFMらしい選曲思想が如実に表れている。その中心にMISIAの「DON’T STOP MUSIC!」が置かれていたことは、彼女の音楽が国内外のポップシーンと並んで聴かれるだけの強度を持っていたことを物語る。20年以上前のこの週のチャートを振り返ると、当時のリスナーが耳にしていた音楽的な多様性と熱量が、あらためて浮かび上がってくる。
2002年10月13日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 DON’T STOP MUSIC ! — MISIA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 TWO MONTHS OFF — UNDERWORLD ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 DON’T STOP — THE ROLLING STONES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 ROCK AND ROLL HERO — 桑田 佳祐 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 SOUL DEEP — TAHITI 80 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 SK8ER BOI — AVRIL LAVIGNE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 LOST CAUSE — BECK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 WHO’S THAT GIRL — DOUBLE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 LITTLE THINGS — INDIA. ARIE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 花鳥風月 — ケツメイシ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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