2018年11月4日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2018年11月4日放送回)。
この週の音楽シーン
2018年11月4日放送分の「TOKIO HOT 100」を眺めると、この週の顔として1位に立っていたのは、あいみょんの「今夜このまま」だった。当時のあいみょんは、率直な言葉選びと生々しい距離感の描き方で若いリスナーだけでなく幅広い世代の共感を集めていた時期で、弾き語りの延長線上にあるようなシンプルな歌唱と、ポップスとしての強度を両立させる作風が支持を広げていた。この曲がTOP10の頂点に置かれていたこと自体が、当時の日本のリスナーが「等身大の言葉」に強く反応していた空気をよく表している。
2位にはOfficial髭男dismの「STAND BY YOU」が入っている。バンドとしての知名度が全国区へと広がっていく過程にあった彼らの楽曲は、ピアノを軸にした構築的なメロディとファルセットを生かしたボーカルワークが特徴で、この頃からすでに「歌が上手いバンド」としての評価を確立しつつあった。あいみょんと髭男dismという、後の日本の音楽シーンを牽引していく二組がワンツーで並ぶ並びは、今振り返ると象徴的な光景に見える。
邦楽勢はこの2組だけではない。6位には椎名林檎と宮本浩次による「獣ゆく細道」がランクイン。世代もキャリアも異なる二人のボーカリストが対峙するように歌う楽曲は、それぞれのソロ活動とは違う緊張感を生んでおり、コラボレーションならではの化学反応が聴きどころだった。7位の高橋優「ありがとう」、8位の秦基博「花」は、いずれもシンガーソングライターらしい率直な歌詞と歌唱で支持を得てきたアーティストであり、あいみょんの1位と地続きの「言葉で伝える音楽」への需要を裏付けている。10位には米津玄師の「FLAMINGO」。従来のイメージを裏切るような癖のあるリズムとフレージングを取り入れたこの曲は、米津玄師というアーティストが一つの型に収まらないことを示す一曲でもあった。
一方で洋楽勢の存在感も見逃せない。3位のAnderson .Paak feat. Kendrick Lamar「TINTS」は、当時のUSブラックミュージックシーンの奥行きを感じさせるトラックであり、4位のJonas Blue, Liam Payne and Lennon Stella「Polaroid」はEDM由来のダンスポップとして国際的なヒットを記録していた楽曲だ。5位のFriendly Fires「Heaven Let Me In」は英国インディー・ダンスの系譜を汲むサウンドで、9位のDJ Snake feat. Selena Gomez, Ozuna & Cardi B「Taki Taki」は、当時世界的に広がっていたレゲトン人気とラテン系サウンドの越境ヒットを象徴する存在だった。
こうして見渡すと、このTOP10は邦楽と洋楽、シンガーソングライターとバンド、国内のフォーク的な系譜と海外のダンス・ヒップホップ的な潮流が、ひとつのチャートの中で自然に並び立っていたことがわかる。ジャンルや国籍を横断して「良い曲」が並置される感覚こそ、この番組のチャートが長く支持されてきた理由のひとつだろう。あいみょんの「今夜このまま」が頂点に立ったこの週は、日本語のポップスが持つ言葉の力と、世界の音楽シーンの多様性が同時に鳴り響いていた、そんな瞬間として記憶しておきたい。
2018年11月4日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 今夜このまま — あいみょん ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 STAND BY YOU — OFFICIAL髭男DISM ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 TINTS — ANDERSON .PAAK FEAT. KENDRICK LAMAR ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 POLAROID — JONAS BLUE, LIAM PAYNE AND LENNON STELLA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 HEAVEN LET ME IN — FRIENDLY FIRES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 獣ゆく細道 — 椎名 林檎と宮本 浩次 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 ありがとう — 高橋 優 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 花 — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 TAKI TAKI — DJ SNAKE FEAT. SELENA GOMEZ, OZUNA & CARDI B ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 FLAMINGO — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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