TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2016年10月23日放送)

TOKIO HOT 100 2016-10-23 放送回ランキング ランキング

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2016年10月23日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2016年10月23日放送回)。

この週の音楽シーン

2016年10月23日放送分のJ-WAVE「TOKIO HOT 100」で首位に立ったのは、宇多田ヒカルの「道」だった。この年、宇多田ヒカルは長い充電期間を経てシングル「花束を君に」「真夏の通り雨」を立て続けに発表し、アルバム『Fantôme』で本格的にシーンへ帰還を果たしている。「道」は日本テレビ系ドラマ「深夜食堂」の主題歌として書き下ろされた楽曲で、静かなピアノと生活の手触りを感じさせる歌声が印象的だった。母である藤圭子を亡くし、自身も母となった宇多田ヒカルが、等身大の言葉で日常や喪失、再生を歌う姿勢は、2016年という年の空気とも重なって聴こえた。派手さよりも内省を選んだこの一曲が首位に立ったこと自体が、当時のリスナーの心情を映していたようにも思える。

TOP10全体を見渡すと、2016年秋という時代の断面が鮮やかに浮かび上がる。6位のRADWIMPS「前前前世」は、新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』の主題歌として、音楽ファンのみならず映画館に足を運んだ幅広い層にまで届いた楽曲であり、この年を象徴するヒットのひとつだった。また3位の星野源「恋」は、TBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌として放送され、エンディングで披露された振り付け、いわゆる「恋ダンス」とともに社会現象化していった時期にあたる。ドラマ発の楽曲が音楽チャートの上位に食い込む流れは、この年を語るうえで欠かせない要素だろう。

海外勢に目を向けると、2位にはブルーノ・マーズの「24K Magic」がランクイン。同名アルバムの表題曲であり、80年代のファンクやディスコサウンドを現代的に再解釈した仕上がりは、当時のR&B/ポップシーンにレトロ回帰の潮流をもたらした一曲として記憶されている。8位のマルーン5とケンドリック・ラマーによる「Don’t Wanna Know」も、ロックバンドとヒップホップアーティストの共演という形で、ジャンルを超えたコラボレーションが当たり前になりつつあった時代性を感じさせる。10位のグリーン・デイ「Revolution Radio」は、アルバムタイトル曲として発表された楽曲で、翌年に向けて世界的に政治や社会への異議申し立てが音楽シーンでも顕在化していく、その前触れのようなナンバーでもあった。

国内勢では、4位のサカナクション「多分、風。」、7位の中田ヤスタカとフィーチャーされた米津玄師による「NANIMONO」、9位のAimer「カタオモイ」といった顔ぶれも見逃せない。米津玄師はこの時期、ボーカロイド出身のクリエイターとして培ってきた作家性を武器に、他アーティストへの楽曲提供やコラボレーションを通じてリスナー層を広げつつあった。中田ヤスタカとの共演は、テクノポップと歌ものの境界を軽やかに越えるような一曲として耳に残る。Aimerの伸びやかで芯のある歌声も、この時期のJ-POPシーンに独自の存在感を放っていた。

こうして振り返ると、2016年10月下旬のTOP10は、ドラマや映画といった映像作品と音楽が密接に結びついていた時代の空気、そして海外ポップスにおけるレトロ回帰とジャンル横断の潮流とが同時に鳴っていた週だったといえる。その中央に、静かながら確かな存在感で宇多田ヒカルの「道」が立っていたことは、派手な現象の裏側にある個人の物語に耳を傾けさせる、印象深い並びだった。

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2016年10月23日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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