2015年9月27日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2015年9月27日放送回)。
この週の音楽シーン
2015年9月27日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、秦基博の「Q&A」だった。透明感のある高音とフォーキーなギターを軸にしながら、バンドサウンドの厚みを増していた時期の秦基博らしい一曲で、シンガーソングライターとしての誠実な佇まいと、ラジオという媒体が求める開かれたポップネスとが自然に重なり合った結果、この週の頂点に立ったのだろう。当時はドラマやCMとのタイアップを介して楽曲が広く浸透していく流れが依然として強く、秦基博のような「歌詞とメロディの手触り」を大事にするアーティストが、洋楽やダンスミュージックと同じテーブルで支持を集めるのが「TOKIO HOT 100」らしい光景だった。
この週のTOP10を見渡すと、2015年秋という時代の空気が色濃く映し出されている。2位のジャスティン・ビーバー「WHAT DO YOU MEAN?」は、彼が「ボーイズ・パーソン」的なイメージから脱却し、トロピカルハウスの要素を取り入れた大人びたサウンドで再起を印象づけた楽曲だ。EDM以降のポップスがどんどんダンスミュージックの語彙を飲み込んでいく過渡期を象徴する存在として、世界的なヒットとなったのは記憶に新しい。3位のCRYSTAL KAYと安室奈美恵によるコラボ「REVOLUTION」は、日本のR&B・ダンスミュージックシーンを牽引してきた二人の共演というだけで話題性十分で、当時のJ-POPが持っていた洗練されたグルーヴ感を体現していた。
4位のtofubeats feat. 般田亜美「POSITIVE」は、ネットカルチャーから頭角を現したプロデューサーが、フューチャーポップ的な感性でメインストリームに接近していく象徴的な一曲。5位のサカナクション「新宝島」は、レトロなムード歌謡の要素とエレクトロニックなアレンジを大胆に融合させ、のちに幅広い世代に愛される国民的ヒットとなる楽曲で、この時点ではまだその広がりの入口にあった。6位のパスピエ「つくり囃子」も、和のテイストとポップな展開を組み合わせるバンドの個性が光る一曲だ。
海外勢では7位にレッドフー feat. スティーヴィー・ワンダー「WHERE THE SUN GOES」、8位にP!NK「TODAY’S THE DAY」がランクイン。前者はサマーソング的な軽やかさと大御所の貫禄あるフィーチャリングが同居し、後者は等身大の強さを歌うP!NKらしいアンセムだった。9位の三浦大知「SING OUT LOUD」は、圧倒的なダンススキルと歌唱力を武器に、日本のパフォーマー像を更新し続けていた彼のポテンシャルを感じさせる楽曲。10位のCHVRCHES「CLEAREST BLUE」は、シンセポップの美意識を極めたスコットランドのトリオらしい、透明で硬質なサウンドスケープが印象的だった。
こうして並べてみると、この週のチャートは国内外・ジャンルの垣根を越えた多様性そのものだったことがわかる。フォーク的な誠実さを持つ秦基博が頂点に立ちながらも、EDM以降のポップス、日本のR&Bやシティポップ的感性、エレクトロニカ、王道の洋楽ポップスまでが同じ土俵で鳴っていた。2015年という年は、ストリーミングがまだ本格普及する手前の、CDとダウンロード、そしてラジオが並走していた最後の時代の空気を残していたようにも思える。「TOKIO HOT 100」というプラットフォームが、ジャンルを問わず「いい曲」を並列に評価する場であったことを、このTOP10は静かに物語っている。
2015年9月27日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 Q & A — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 WHAT DO YOU MEAN? — JUSTIN BIEBER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 REVOLUTION — CRYSTAL KAY FEAT. 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 POSITIVE — TOFUBEATS FEAT. DREAM AMI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 新宝島 — サカナクション ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 つくり囃子 — パスピエ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 WHERE THE SUN GOES — REDFOO FEAT. STEVIE WONDER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 TODAY’S THE DAY — P!NK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 SING OUT LOUD — 三浦 大知 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 CLEAREST BLUE — CHVRCHES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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