2013年11月10日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2013年11月10日放送回)。
この週の音楽シーン
2013年11月10日放送の「TOKIO HOT 100」でトップに立ったのは、KATY PERRYの「ROAR」だった。当時のアメリカのメインストリームでは、彼女とLADY GAGA、そしてBEYONCÉあたりが女性ポップスターの頂点を争っていた時期で、この週のチャートにもLADY GAGAが「DO WHAT U WANT」「VENUS」の2曲でランクインしているのが象徴的だ。「ROAR」はエンパワーメントソングとしての力強さと、シンプルで口ずさみやすいメロディを両立させた楽曲で、当時のラジオでもテレビでも引っ張りだこだった記憶がある。KATY PERRYはこの時期、ビジュアル面でもポップアートのような鮮やかさを打ち出しており、音楽と映像がセットで語られる時代の空気をよく体現していたアーティストだった。
この週のTOP10を眺めると、洋楽と邦楽、さらにはジャンルを超えたクロスオーバーが自然に同居しているのが面白い。2位には木村カエラと石野卓球という組み合わせによる「FUNKYTOWN」がランクイン。テクノとポップスの垣根を軽やかに越えるコラボレーションは、2013年前後のシーンで日本の音楽が持っていた実験精神を思い出させる。3位のPAUL MCCARTNEYは「NEW」で、ベテランでありながら現在進行形のサウンドを提示していたのも印象的だ。ロック黎明期を築いた人物が、この時期の新しい制作陣と組んで若々しい音を鳴らしていたことは、当時の音楽メディアでも大きな話題になっていた。
邦楽勢では4位にKANA-BOON、7位に家入レオ、8位にRIP SLYMEという顔ぶれが並ぶ。KANA-BOONはロックバンドがアニメタイアップなどを通じて広くお茶の間に浸透していく流れの中にいたグループで、当時のロックシーンの若い世代の勢いを感じさせる。家入レオは伸びやかな歌声で邦楽バラード・ミディアムのシーンに新風を吹き込んでいたシンガーだ。RIP SLYMEは日本語ラップグループとして長くシーンを支えてきた存在で、この時期も独自のポップセンスを持った楽曲をコンスタントに送り出していた。
洋楽側ではLINKIN PARKとSTEVE AOKIのコラボレーション曲がランクインしているのも見逃せない。ロックバンドとEDM系プロデューサーの共作は、当時のダンスミュージックの盛り上がりとロックシーンの拡張性を同時に示す事例だった。また、ROBERT GLASPER EXPERIMENTがCOMMONやPATRICK STUMPというヒップホップ・ポップ双方の名前を迎えた楽曲を送り込んでいる点も興味深い。ジャズ出身のグラスパーがジャンルの壁を越えて多様なアーティストと共演していく姿勢は、2010年代のブラックミュージックがより流動的になっていく流れを象徴していたと言えるだろう。
こうして振り返ると、この週のTOP10は「ジャンルを越境する音楽」というキーワードで貫かれているように見える。KATY PERRYの王道ポップから、日本のクロスオーバー、ベテランロッカーの新作、若手バンドの台頭、そしてジャズとヒップホップの融合まで、多彩な音楽性がひとつのチャートに同居していたことは、2013年という時代の音楽シーンの豊かさを物語っている。ラジオというメディアがジャンルを問わず良質な楽曲を横断的に紹介できていた時代の空気を、このリストから感じ取ることができる。
2013年11月10日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 ROAR — KATY PERRY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 FUNKYTOWN — 木村 カエラ XXX 石野 卓球 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 NEW — PAUL MCCARTNEY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 1.2. STEP TO YOU — KANA-BOON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 A LIGHT THAT NEVER COMES — LINKIN PARK AND STEVE AOKI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 I STAND ALONE — ROBERT GLASPER EXPERIMENT FEAT. COMMON AND PATRICK STUMP ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 太陽の女神 — 家入 レオ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 SLY — RIP SLYME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 DO WHAT U WANT — LADY GAGA FEAT. R.KELLY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 VENUS — LADY GAGA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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