2007年11月18日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2007年11月18日放送回)。
この週の音楽シーン
2007年11月18日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはMR.CHILDRENの「旅立ちの唄」だった。この年のミスターチルドレンは結成から長い年月を経てなお第一線でヒットを生み出し続けており、桜井和寿の書く言葉は季節の変わり目や人生の節目に寄り添うものとして多くのリスナーに受け止められていた。「旅立ちの唄」というタイトルそのものが、卒業や門出、新しい一歩を連想させ、11月という一年の終盤に差し掛かる時期にラジオから流れることで、聴き手それぞれの生活の中の区切りと重なり合うような広がりを持っていたのではないかと思う。バンドサウンドを基調にしながらも壮大さを感じさせるアレンジは、当時のJ-POPが持っていた「歌もの」としての強度を象徴していたようにも聴こえる。
この週のTOP10を眺めると、邦楽と洋楽が入り混じる編成が印象的だ。2位には木村カエラの「YELLOW」がランクインしており、モデルからミュージシャンへと軸足を移し、独自のポップ感覚で支持を広げていた彼女の存在感がうかがえる。9位のコブクロ「蒼く 優しく」も含め、日本語詞のメロディアスな楽曲が上位に並ぶ一方で、3位にBACKSTREET BOYSの「INCONSOLABLE」、6位にJENNIFER LOPEZの「DO IT WELL」、8位にCELINE DIONの「TAKING CHANCES」といった、90年代から2000年代にかけて世界的なポップシーンを牽引してきたアーティストたちの新曲も同居している。彼らが2007年になってもなお現役でチャートに名を連ねていたことは、当時のポップミュージックの層の厚さを物語っている。
4位のRIP SLYMEによる「SPEED KING」は、日本語ラップがエンターテインメントとしてすっかり定着していたことを示す一曲であり、洋楽・邦楽・ロック・ヒップホップ・ダンスミュージックが自然に並置されるという、当時のFM局のチャート番組らしい多様性がこの週のリストにもよく表れている。5位のSARA BAREILLESや10位のKYLIE MINOGUEといった名前も、シンガーソングライター的な繊細さと、ダンスフロア由来のポップネスという、洋楽ポップスの二つの軸をそれぞれ体現していた。7位のCRAIG DAVIDが手掛けた「HOT STUFF(LET’S DANCE)」は、ドナ・サマーの名曲を思わせるタイトルからも分かるように、ディスコ由来のダンスミュージックのエッセンスを2000年代的な質感で蘇らせたトラックとして、当時のクラブシーンとポップチャートの距離の近さを感じさせる。
こうして見渡すと、この週のTOP10は決して一色に染まっていたわけではなく、日本の歌謡的な情感を大切にした楽曲群と、欧米ポップスの洗練されたサウンドプロダクションが、同じ十曲の中で共存していたことが分かる。トップに立った「旅立ちの唄」の持つ、静かながらもスケールの大きい情感は、周囲を固める多国籍なポップスの中にあってなお埋もれることなく、当時のリスナーの耳に残る一曲として記憶されているのではないだろうか。ラジオというメディアを通じて、こうした異なる文脈の音楽が一つの時間軸の中で並べられていたこと自体が、2007年という時代の音楽シーンの豊かさを今に伝えている。
2007年11月18日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 旅立ちの唄 — MR.CHILDREN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 YELLOW — 木村 カエラ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 INCONSOLABLE — BACKSTREET BOYS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 SPEED KING — RIP SLYME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 LOVE SONG — SARA BAREILLES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 DO IT WELL — JENNIFER LOPEZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 HOT STUFF(LET’S DANCE) — CRAIG DAVID ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 TAKING CHANCES — CELINE DION ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 蒼く 優しく — コブクロ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 2 HEARTS — KYLIE MINOGUE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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