TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2012年5月13日放送)

TOKIO HOT 100 2012-05-13 放送回ランキング ランキング

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2012年5月13日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2012年5月13日放送回)。

この週の音楽シーン

2012年5月13日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはノラ・ジョーンズの「HAPPY PILLS」だった。ジャズ・ピアニストとしてデビューし、2002年の「Come Away with Me」で世界的なブレイクを果たした彼女は、この頃になるとジャズという枠組みにとどまらず、オルタナやロック的な質感を取り入れたサウンドへと表現の幅を広げていた時期にあたる。「HAPPY PILLS」もその流れを汲む一曲で、彼女特有のけだるく低めのヴォーカルに、乾いたビートとメランコリックなメロディが重なり合う、大人のリスナーの耳を惹きつける仕上がりだったことが思い出される。派手さよりも質感で聴かせるタイプの楽曲が、都会的なプレイリストの中心に据えられていたことは、当時のTOKIO HOT 100が単なる流行の追随ではなく、洗練されたリスナー層に向けた選曲眼を持っていたことを物語っている。

この週のTOP10全体を眺めると、実に多彩な顔ぶれが並んでいる。国内勢では木村カエラの「マミレル」やANDYMORIの「光」、YUKIの「プレイボール」、PES from RIP SLYMEの「女神のKISS」といった面々が上位に食い込み、邦楽シーンの多様性を感じさせる布陣となっていた。ANDYMORIは当時のギターロック好きから熱い支持を集めていたバンドであり、その荒削りながらも切実な音像は、洋楽志向のリスナーにも違和感なく受け入れられていたように思う。一方でPACOの「ソラガール」のような柔らかなポップスも並んでおり、番組が硬軟織り交ぜたバランス感覚を持っていたことがうかがえる。

洋楽勢に目を向ければ、ジャック・ホワイトの「SIXTEEN SALTINES」が3位にランクインしている点も見逃せない。ホワイト・ストライプス解散後、ソロアーティストとしての第一歩を踏み出した彼のラフでガレージロック然としたこの曲は、2012年という年がロックの「原点回帰」的な空気をまだ色濃く残していたことを象徴している。また、エミリー・サンデーの「HEAVEN」やマルーン5がウィズ・カリファを迎えた「PAYPHONE」、ジェイソン・ムラーズの「I WON’T GIVE UP」といった楽曲群は、いずれも当時のポップスシーンで広く親しまれた作品であり、この年がメロディアスで耳なじみの良いポップスと、エッジの効いたロックやオルタナが共存していた過渡期だったことを教えてくれる。

2012年前半という時期は、音楽の聴き方そのものが変わりつつあった転換点でもあった。ストリーミングサービスがまだ日本では本格化する前夜であり、CDやダウンロード、そしてラジオというメディアが依然として重要な発見の場として機能していた。そんな中で「HAPPY PILLS」のような、じっくりと聴き込むことで味わいが増す楽曲が1位に選ばれていたことは、当時のリスナーがまだ「一曲を丁寧に聴く」文化を持っていたことの証左でもあるだろう。この週のチャートは、洋楽と邦楽、ポップとロック、大衆性と作家性が絶妙に交差した、TOKIO HOT 100らしい多層的な一週間だったと言える。

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2012年5月13日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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