2017年5月14日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2017年5月14日放送回)。
この週の音楽シーン
2017年5月14日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、アリアナ・グランデとジョン・レジェンドが歌う「BEAUTY AND THE BEAST」だった。同年春に公開された実写映画『美女と野獣』のために制作されたこの楽曲は、アラン・メンケンが手がけたディズニーの名曲を、二人のボーカリストが現代的なポップ・バラードとして歌い上げたものだ。アリアナの伸びやかで芯のあるハイトーンと、ジョン・レジェンドの深みのある落ち着いた歌声が対になることで、物語そのものが持つ「異なる者同士が惹かれ合う」というテーマが音楽的にも表現されている点が聴きどころだろう。実写化ブームのただ中にあった当時、映画のヒットと連動して主題歌がチャートの上位に食い込むという現象は珍しくなかったが、この曲はオリジナルの旋律の強度と二人のデュエットとしての説得力によって、単なる映画タイアップ曲以上の存在感を放っていた。
この週のTOP10を見渡すと、当時の洋楽シーンの潮流がよく表れている。2位のザ・チェインスモーカーズとコールドプレイによる「SOMETHING JUST LIKE THIS」は、EDMとギターポップが自然に溶け合うトロピカルな質感が特徴で、フェス世代のリスナーに支持されたサウンドの代表格だった。3位のエド・シーランの「GALWAY GIRL」は、彼のルーツであるケルト音楽のフィドルの響きを取り入れながらポップスとして仕上げた一曲で、シンガーソングライターとしての引き出しの広さを示していた。さらに6位にはピットブルとJ・バルヴィンにカミラ・カベロを迎えた「HEY MA」がランクインしており、この時期に本格化しつつあったラテン・ポップの世界的な波を感じさせる。同じ年にラテン発の楽曲が英語圏のチャートを席巻していく流れの、まさに入り口にあたる時期だったと言える。
邦楽勢にも目を向けたい。9位にランクインしたBUMP OF CHICKENの「リボン」は、当時放送されていたNHKの連続テレビ小説の主題歌として茶の間に広く届けられていた楽曲で、バンドらしい疾走感と歌詞の情景喚起力が同居する一曲だった。7位のAimerの「MARCH OF TIME」は、独特のハスキーな声質を活かした重厚な世界観の楽曲で、アニメやドラマの劇伴的な文脈で支持を広げていた彼女の存在感を物語っている。洋楽が並ぶランキングの中に、こうした邦楽の楽曲が違和感なく共存していたことも、この番組らしい編成の妙だったと言えるだろう。
他にも、4位にはゴリラズがジェニー・ベスを迎えた「WE GOT THE POWER」、5位にはケイティ・ペリーがミーゴスを迎えた「BON APPETIT」、8位にはブルーノ・マーズの「THAT’S WHAT I LIKE」、10位にはレディー・ガガの「THE CURE」がランクインしており、ダンスミュージック、ヒップホップ、ファンク、ポップスと、ジャンルの垣根を越えた顔ぶれが並んでいた。ブルーノ・マーズの楽曲はファンクとR&Bを現代的に再構築したサウンドで、当時のヒットチャートに新しい風を吹き込んでいた一曲であり、レディー・ガガの「THE CURE」は、彼女がその年のコーチェラで披露したことでも話題になった楽曲だ。
こうして振り返ると、2017年5月半ばのこの週のチャートは、映画音楽のデュエットが頂点に立ちながらも、EDM、ラテン、ヒップホップ、邦楽ロックといった多様な音楽が同じテーブルに並んでいた、まさに時代の縮図のような一週間だったと言える。ジャンルを横断しながらも、それぞれの楽曲が持つメロディの強さと歌声の説得力によって支持された点に、当時のリスナーの耳の確かさを感じ取ることができる。
2017年5月14日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 BEAUTY AND THE BEAST — ARIANA GRANDE AND JOHN LEGEND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 SOMETHING JUST LIKE THIS — THE CHAINSMOKERS AND COLDPLAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 GALWAY GIRL — ED SHEERAN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 WE GOT THE POWER — GORILLAZ FEAT. JEHNNY BETH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 BON APPETIT — KATY PERRY FEAT. MIGOS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 HEY MA — PITBULL AND J BALVIN FEAT. CAMILA CABELLO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 MARCH OF TIME — AIMER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 THAT’S WHAT I LIKE — BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 リボン — BUMP OF CHICKEN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 THE CURE — LADY GAGA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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