TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2012年3月18日放送)

TOKIO HOT 100 2012-03-18 放送回ランキング ランキング

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2012年3月18日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2012年3月18日放送回)。

この週の音楽シーン

2012年3月18日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ノラ・ジョーンズの「HAPPY PILLS」だった。この曲は当時リリースされたアルバム『リトル・ブロークン・ハーツ』からのナンバーで、プロデューサーにデンジャー・マウスを迎えたことが大きな話題となっていた。デンジャー・マウスといえばガレージロック的な質感とエレクトロニカを行き来する仕事で知られる人物であり、それまでジャズ・アコースティック寄りの歌声のイメージが強かったノラ・ジョーンズにとっては、音像そのものを大きく塗り替える試みだった。ドラムマシンやシンセの冷ややかな響きの上に、彼女特有の気だるくも芯のある歌声が乗る「HAPPY PILLS」は、失恋というテーマを軽やかな8ビートに乗せて描き出す一曲で、従来のファン層だけでなく、より広いリスナー層にリーチした作品だったといえる。

この週のTOP10を眺めると、2012年前後という時期の音楽シーンの多層性がよく見えてくる。2位にはいきものがかりの「KISS KISS BANG BANG」がランクインしており、国内ロック・ポップスの安定した人気を示している。3位のジェームス・イハは、スマッシング・パンプキンズの元メンバーとしてオルタナティブロック世代には特別な存在感を持つミュージシャンで、ソロ名義での活動が日本でもこうして支持されていたことは興味深い。4位のトータス松本はウルフルズのフロントマンとしてお馴染みだが、ソロでも独自の情感豊かな楽曲を届けており、「ブランコ」もその系譜にある一曲だ。

5位には当時世界的な現象となっていたアデルの「ROLLING IN THE DEEP」がランクインしている。アルバム『21』はグラミーを席巻し、失恋を昇華させるパワフルな歌唱が世界中で共感を呼んでいた時期であり、この曲がロングセラー的に洋楽チャートの上位に留まり続けていたことは、当時の音楽シーンを象徴する出来事のひとつだった。6位のRAKEは日本のシンガーソングライターとして、7位のジン・アカニシはKAT-TUNのメンバーとしても活動しながらソロでも海外展開を進めていたアーティストで、「SUN BURNS DOWN」はそうした国際色を意識した楽曲でもあった。

8位には安室奈美恵の「GO ROUND」。90年代からトップランナーであり続けた彼女が、この時期もダンスミュージックの最前線でエッジの効いたサウンドを追求していたことがうかがえる一曲だ。9位のm-flo「SHE’S SO(OUTTA CONTROL)」は、日本のヒップホップ/R&B・クラブミュージックのシーンを長く牽引してきたユニットらしい、洗練されたグルーヴ感が持ち味だった。10位にはイギリスのザ・ティング・ティングスの「HANG IT UP」がランクイン。ポストパンク的な骨太さとポップなキャッチーさを両立させたサウンドは、当時のUKインディーシーンの熱量をそのまま伝えてくれる。

こうして振り返ると、この週のTOP10は国内外・ジャンルを問わず実に多彩な顔ぶれだったことがわかる。ジャズ、オルタナロック、Jポップ、ソウルフルなバラード、ダンスミュージック、クラブサウンド、UKインディーが同じテーブルに並ぶという光景は、ラジオという媒体だからこそ成立した多様性の縮図だったのかもしれない。中でも1位に立ったノラ・ジョーンズの「HAPPY PILLS」は、アーティストが自身のイメージを更新しようとする挑戦の記録として、いま聴き返しても新鮮な響きを持っている。当時のリスナーが感じたであろう驚きと発見を、この一曲から追体験してみるのも一興だろう。

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2012年3月18日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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