TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2008年8月17日放送)

TOKIO HOT 100 2008-08-17 放送回ランキング ランキング

本ページには広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト等)を含みます。

2008年8月17日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2008年8月17日放送回)。

この週の音楽シーン

2008年8月17日放送分のTOP10を眺めると、真夏の空気の中に妙な清涼感と厚みが同居しているのが分かる。1位に輝いたのはCOLDPLAYの「VIVA LA VIDA」。この年の彼らはアルバム「Viva la Vida or Death and All His Friends」でブライアン・イーノを制作陣に迎え、それまでのUKギターロック然としたサウンドから大きく舵を切った。ストリングスと打楽器が交錯し、教会音楽的な荘厳さすら漂わせるアレンジは、当時のロックリスナーに強い衝撃を与えた曲だ。タイトルもメキシコの画家フリーダ・カーロの作品から取られていると言われ、歌詞世界には栄枯盛衰や王権の喪失といったモチーフが漂う。ラジオで流れると、イントロのストリングスだけで空気が変わるような存在感があり、この曲が世界中のチャートを席巻していたことは、当時ラジオを聴いていた人なら肌感覚で覚えているはずだ。

2008年という年は、北京オリンピックが開催され、社会全体がどこか高揚と緊張の入り混じった空気に包まれていた時期でもある。音楽シーンでは洋楽と邦楽がまだ地続きに語られる感覚が残っており、TOKIO HOT 100のようなチャートでは、海外の話題曲と国内アーティストの新曲が同じ土俵で並ぶことが当たり前だった。今回のTOP10もまさにその縮図で、ロックの殿堂を歩むCOLDPLAYの隣に、サザンオールスターズの「I AM YOUR SINGER」、安室奈美恵の「DO ME MORE」が並び、さらにRIP SLYMEの「太陽とビキニ」やキマグレンの「LIFE」といった、夏らしい軽やかさを持つ国内ヒットが続く。ジャンルも国籍も横断しながら、リスナーの耳がひとつのタイムラインの上で自由に行き来していた時代の空気が伝わってくる並びだ。

Mr.Childrenの「GIFT」も忘れてはいけない。もともとはNHKの北京五輪テーマソングとして書き下ろされた楽曲で、この夏の応援ソングとしての役割を強く担っていた一曲だ。祝祭感のあるメロディは、五輪期間中の高揚した空気とぴったり重なっていたはずだ。一方でDANIEL POWTERの「NEXT PLANE HOME」は、しっとりとしたピアノバラードで、夏の喧騒の中に静けさを差し込むような存在感を放っている。CRYSTAL KAYの「ONE」、GIOVANCAの「ON MY WAY」、BONNIE PINKの「鐘を鳴らして」は、いずれも日本のシティ・ポップ/R&B的な洗練を感じさせるラインナップで、夜のドライブや涼をとる部屋の中で聴くのにふさわしい質感を持っていた。

あらためて振り返ると、この週のTOP10は、世界的なロックの新機軸と、日本のポップス・R&B・ロックの成熟がバランスよく同居した瞬間だったと言える。COLDPLAYが「VIVA LA VIDA」で見せたスケールの大きなサウンドメイクは、その後のロックバンドの音作りにも影響を与えていくことになるし、同時にこの一曲を1位に押し上げたリスナーの耳の広さも、当時のFMラジオという媒体の役割の大きさを物語っている。CDよりも先に配信やラジオで曲を知る、という聴取スタイルが広がり始めていた時期でもあり、こうした週替わりのチャートは、まさにその過渡期の記録として今聴き返しても興味深い。真夏の空にストリングスが鳴り響くあの高揚感を、あらためて思い出してみてほしい。

🎧 この曲を聴くなら[PR]

2008年8月17日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

いい音で聴くなら[PR]

次の週(2008年8月24日) »

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました