TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1998年9月20日放送)

TOKIO HOT 100 1998-09-20 放送回ランキング ランキング

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1998年9月20日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1998年9月20日放送回)。

この週の音楽シーン

1998年9月20日のTOKIO HOT 100は、その年のポピュラーミュージックが持っていた振り幅の大きさをそのまま切り取ったような一週間だった。首位に立ったのはローリン・ヒルの「DOO WOP(THAT THING)」。フージーズの中心メンバーとして知られていた彼女が、この年にソロ作『The Miseducation of Lauryn Hill』を携えて本格的にソロシーンへ踏み出したタイミングの楽曲で、ヒップホップのビート感とソウルフルな歌唱、そしてゴスペル的な厚みのあるコーラスワークを一曲の中に同居させている点が新鮮だった。男女関係における距離の取り方や自己肯定というテーマを、説教くさくならずグルーヴに乗せて届けるバランス感覚は、90年代後半のR&B/ヒップホップがポップスの主流に食い込んでいく流れを象徴していたと言える。

2位にはホールの「セレブリティ・スキン」。カート・コバーンの死から数年が経ち、グランジ以降のオルタナティブ・ロックがどう成熟していくかが問われていた時期に、コートニー・ラヴが打ち出したのはよりメロディアスで開かれたロックンロールだった。3位のエイス・オブ・ベイスは北欧発のポップグループとして90年代を通して安定した存在感を放ち続けており、シンセを軸にした爽やかなサウンドは当時のラジオでも独自の居場所を持っていた。

中盤には多国籍・多ジャンルな顔ぶれが並ぶ。4位のデベラ・モーガンはラテンのリズムを取り入れたR&Bで注目を集めていたシンガーで、5位のフーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュはアメリカン・ロックの王道を行くバンドとして90年代を通じて安定したヒットを飛ばしていた。6位のシェリル・クロウ、7位のナタリー・マーチャントは、いずれもシンガーソングライター的な視点を持つ女性アーティストとして、ロックとポップの中間にある成熟した表現を提示していた点で共通している。8位のデズリーは90年代前半からポジティブなメッセージ性を持つ楽曲で知られ、9位のジュリアン・レノンはビートルズの遺伝子を背負いながらも独自の音楽性を模索し続けてきたアーティストだ。10位にはタチアナ・アリという、女優としても活動する若手シンガーがランクインしており、当時のポップシーンが役者・タレント出身のアーティストにも開かれていたことがうかがえる。

こうして10曲を並べてみると、ヒップホップ、オルタナ・ロック、ユーロポップ、アダルト・コンテンポラリー、ラテン系R&Bといった複数の潮流が、一つのチャートの中で自然に共存していたことが分かる。ジャンルの境界がまだはっきりと分かれていながらも、それぞれが互いの領域に少しずつにじみ出していく過渡期だったのが1998年という年であり、その象徴として首位にヒップホップ/R&Bのアーティストが立ったことは、翌年以降のポップミュージックの流れを考えるうえでも興味深い一週間だったのではないだろうか。当時ラジオから流れてきたこれらの曲を今あらためて聴き直すと、単なる懐かしさだけでなく、ジャンルを越境しようとする意欲そのものが持つ普遍的な鮮度に気づかされる。

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1998年9月20日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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