TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2021年5月23日放送)

TOKIO HOT 100 2021-05-23 放送回ランキング ランキング

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2021年5月23日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2021年5月23日放送回)。

この週の音楽シーン

2021年5月23日放送回の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、TOP10の頂点に立っていたのは平井堅の「1995」だった。タイトルが示す通り、自身のデビュー前夜とも言える時代への眼差しを込めた楽曲で、キャリアを重ねてきたアーティストが改めて自分のルーツや音楽との出会いを見つめ直すような、成熟した表現が印象的だった。ちょうどこの時期は緊急事態宣言下でライブやツアーが制限され、多くのアーティストが「これまで」と「これから」を静かに考え直さざるを得ない状況にあった。そうした空気の中で、過去を振り返りながらも前を向く「1995」のような楽曲が支持を集めたのは、時代の気分と無縁ではなかったように思える。

2位には藤井風の「きらり」がランクインしている。独特の脱力感と関西弁交じりの歌い回し、そしてジャンルを軽やかに横断するトラックメイキングで、当時すでに新世代の才能として注目を集めていたアーティストだ。邦楽シーンでは彼のように既存のJ-POPの枠組みに収まらない個性が次々と台頭してきた時期でもあり、6位の星野源「不思議」と並んで、日本の男性アーティストがそれぞれの方法で「らしさ」を追求していた様子がうかがえる。

洋楽勢に目を向けると、3位にはザ・ウィークエンドとアリアナ・グランデによる「Save Your Tears (Remix)」がランクイン。オリジナル版がすでに世界的なヒットとなっていた楽曲に、アリアナの華やかなボーカルが加わったリミックスは、コラボレーションによる楽曲の再生・拡張という当時のポップシーンの定番的な手法を象徴する存在だった。4位のドージャ・キャットとSZAによる「Kiss Me More」も同様に、R&B/ヒップホップ的な感性とポップスの中間を軽やかに行き来する一曲で、フィーチャリングを介した化学反応がヒットチャートを賑わせていた時期だったことがよく分かる。

5位のコールドプレイ「Higher Power」は、パンデミック下という制約の多い状況でも希望を感じさせるような開放的なサウンドが印象的で、バンドとしての普遍的なポップネスを改めて示した楽曲だった。7位のチャーチズ「He Said She Said」、8位のケミカル・ブラザーズ「The Darkness That You Fear」は、シンセやエレクトロニックなアプローチを軸にしながらも、それぞれのバンドが積み重ねてきたキャリアの中でなお実験性を失わない姿勢を感じさせる並びだった。

9位のエース橋本feat.ケロ・ワン「4everything」、10位のジョーニー「Best Thing」といった楽曲は、当時のインディー/オルタナティブなシーンから生まれた瑞々しい感覚を持ち込んでおり、大きなヒットチャートの主流とは異なる角度からの新しい風として、このTOP10に多様性を与えていた。全体を眺めると、邦楽・洋楽、ベテラン・新世代、メインストリームとインディーが同じ土俵で並ぶこの週のランキングは、外出もままならない中で音楽だけが自由に国境やジャンルを越えていった、あの時期ならではの豊かさを今も伝えてくれる。

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2021年5月23日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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