TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2020年11月22日放送)

TOKIO HOT 100 2020-11-22 放送回ランキング ランキング

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2020年11月22日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2020年11月22日放送回)。

この週の音楽シーン

2020年11月22日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、アリアナ・グランデの「POSITIONS」だった。同年10月に発表されたアルバム表題曲であり、彼女にとって前作『thank u, next』からの流れを受け継ぎながらも、よりミニマルで室内的なサウンドへと舵を切った一曲だったことを思い出す。派手なビッグ・コーラスやEDM的な高揚感で押し切るのではなく、囁くようなヴォーカルと控えめなビートで魅せる作りは、当時の世界的な状況とも無関係ではなかったはずだ。この年は新型コロナウイルスの影響で人々が家にいる時間が長くなり、音楽の聴かれ方そのものが変化していた。大きなアリーナで鳴らすことを想定した曲よりも、こぢんまりとした空間で寄り添うように響く曲が求心力を持つ時期でもあり、「POSITIONS」の親密な質感はそうした空気とも自然に共鳴していたように感じられる。

TOP10全体を眺めると、洋楽と邦楽が入り混じり、ジャンルも多彩だったことがわかる。2位にはロンドンの新星アーロ・パークスの「GREEN EYES」がランクインしており、内省的で文学的な歌詞世界と柔らかなベッドルーム・ポップの質感が、当時のUKインディー・シーンの気配を伝えている。3位・4位には藤井風の「青春病」「へでもねーよ」が並び、この頃の彼が国内シーンで急速に存在感を強めていたことが見て取れる。ジャンルを軽々と越えるソウルフルな歌声とユーモラスな言葉選びは、邦楽リスナーだけでなく洋楽的な感覚を持つ層にも届いていた時期だ。7位のBTS「DYNAMITE」は、この年を象徴するグローバルヒットのひとつで、K-POPが欧米チャートの中心にまで進出したことを示す存在として記憶されている。

また6位のキング・プリンセスや9位のビーバドゥービーといった名前からは、当時勢いを増していたクィア・ポップやZ世代インディーの潮流も垣間見える。8位のジェイク・バグはUKロック的な系譜を感じさせ、10位には日本のトラックメイカー・KAN SANOの「GOOD LUCK」がランクインしており、国内シーンの層の厚さも同時に示されていた。5位のゼッドとグリフによる「INSIDE OUT」は、EDMの文脈とポップの融合というこの時代らしい組み合わせでもある。

こうして並べてみると、この週のTOP10は決して一つの色に染まっておらず、メインストリームのポップから内省的なインディー、K-POP、国内シーンの多様な才能までが混在していたことがわかる。2020年後半という、誰もが不確かな日常を過ごしていた時期に、こうした幅広い音楽が同じチャートの中で並び立っていたことは、当時のリスナーがジャンルの壁を越えて音楽を求めていた証のようにも思える。アリアナ・グランデの「POSITIONS」が1位に立っていたこの週は、ポップミュージックの主流と、それを取り巻く周縁の才能たちが緩やかに共存していた、ひとつの時代の断面として振り返ることができるだろう。

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2020年11月22日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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