TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2020年3月29日放送)

TOKIO HOT 100 2020-03-29 放送回ランキング ランキング

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2020年3月29日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2020年3月29日放送回)。

この週の音楽シーン

2020年3月29日という放送日を振り返ると、まず思い出されるのは新型コロナウイルスの感染拡大によって日本社会全体が急速に緊張感を強めていた時期だという点だ。学校の休校が続き、外出自粛の呼びかけが強まり、ライブハウスやクラブが次々と休業を発表していった、あの落ち着かない春先である。そんな空気のなかで「TOKIO HOT 100」の1位に輝いたのが、東京スカパラダイスオーケストラがaikoをフィーチャリングに迎えた「GOOD MORNING~ブルー・デイジー」だった。スカパラは1980年代の結成以来、インストゥルメンタルのスカ・バンドとして独自の地位を築きながら、90年代以降は数多くのボーカリストを客演に迎えるコラボレーション路線でも知られてきた。桜井和寿、Chara、細美武士など時代を代表する声を招き入れてきた歴史のなかに、この曲でのaikoとの共演も刻まれることになる。ブラスの躍動とリズムセクションの疾走感に、aiko特有の少し翳りを帯びた柔らかな歌声が乗ることで、朝の光と憂鬱さが同時に立ち上がるような不思議な質感を生み出していた。まさに先の見えない不安のなかにいたリスナーにとって、タイトルの「GOOD MORNING」という呼びかけそのものが、ささやかな救いのように響いたのではないだろうか。

同じ週のTOP10を眺めると、洋楽・邦楽が入り混じる「TOKIO HOT 100」らしい多様性がよく表れている。2位にはレディー・ガガの「STUPID LOVE」がランクイン。当時ニューアルバム『クロマティカ』を控えたガガの復活を告げるダンスナンバーで、パンデミック直前のポップシーンにまだ残っていた祝祭的な高揚感を感じさせる一曲だった。4位のHAIM「THE STEPS」、8位のキラーズ「CAUTION」など、ロック勢も存在感を示している。一方で邦楽勢も充実しており、3位には竹内アンナの「I MY ME MYSELF」。ソングライターとしての自我をまっすぐに打ち出したタイトルが印象的だ。6位のCHELMICOはヒップホップ的な言語感覚と軽やかなポップネスを両立させ、9位のTEMPALAYは「大東京万博」というタイトルからも窺えるように、都市と虚構をめぐる独特の世界観を提示していた。10位のCIRRRCLEも含め、若い世代のアーティストたちが次々とチャートに顔を出していたのがこの時期の特徴といえる。

また7位には桑田佳祐の「SMILE~晴れ渡る空のように~」が入っている。サザンオールスターズの活動を経てソロでも独自の存在感を放ってきた桑田だが、この曲名が示す明るさへの願いは、当時の社会状況と重ね合わせたくなる説得力を持っていた。コロナ禍初期という特殊な時間のなかで発表されたわけではないにせよ、リスナーがこの曲に何を感じ取ったかを想像すると、時代の空気とチャートの重なりが見えてくる。全体を振り返ると、この週のTOP10は世界的なポップスターの新曲から、日本のインディー・ヒップホップ的な感覚を持つ若手、そしてベテランの安定感まで、幅広いレイヤーが同時に並んでいたことがわかる。そのなかで1位に立ったスカパラ×aikoの一曲は、バンドとボーカリストという二つの個性が対等に混ざり合う「TOKIO HOT 100」的なコラボレーションの美学を体現していたと言えるだろう。あの春、ラジオから流れていたこの曲を思い出すと、不安な日々のなかにも確かに音楽が寄り添っていた感覚が、いまも鮮やかに立ち上がってくる。

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2020年3月29日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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