TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1993年6月6日放送)

TOKIO HOT 100 1993-06-06 放送回ランキング ランキング

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1993年6月6日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1993年6月6日放送回)。

この週の音楽シーン

1993年6月6日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、頂点に立っていたのはジャネット・ジャクソンの「THAT’S THE WAY LOVE GOES」だった。この曲はアルバム『janet.』からの先行シングルで、ジャム&ルイスとの黄金コンビによるプロダクションが、それまでのジャネットの弾けるダンスチューンとは一線を画す、じっとりと粘るようなグルーヴを聴かせてくれた曲として記憶されている。名前を「Janet Jackson」ではなく「janet.」と小文字表記にしたアルバムタイトルが象徴するように、この時期の彼女は兄マイケルの影から完全に脱し、大人の女性としての自我とセクシュアリティを前面に出した表現へと踏み出していた。そのムードを決定づけたのがこの曲のレイジーで淫美なビートであり、90年代前半のR&Bがヒップホップのビート感覚を吸収しながら洗練されていく過程を象徴する一曲だったと言える。 この週のTOP10全体を眺めると、当時のJ-WAVEらしい選曲の幅広さがよく見えてくる。ニュー・オーダーの「REGRET」は、UKロック/ニューウェイヴの流れを汲むバンドが90年代的なオルタナティブの空気の中で放った一曲で、彼らのキャリアの中でも爽やかさと哀愁が同居する仕上がりが印象的だった。ドナルド・フェイゲンの「TOMORROW’S GIRLS」は、スティーリー・ダンの片翼として音楽的完璧主義を追求してきた彼が、ソロ活動でも都会的で乾いたAOR感覚を持ち込んでいたことを思わせる存在感がある。マイケル・フランクスの「COMING TO LIFE」も、ソフィスティ・ポップやフュージョン寄りのAORがまだ日本のFM文化の中で確かな支持を得ていたことを物語る一曲だ。 一方で、テレンス・トレント・ダービーの「DO YOU LOVE ME LIKE YOU SAY?」は、ソウルフルな歌唱とロック的な骨太さを併せ持つ彼らしい仕上がりで、80年代末から続くカリスマ性が90年代にも継続していたことがうかがえる。そして10位にはスノウの「INFORMER」がランクインしている。カナダ出身の白人レゲエ/ダンスホールDJによるこの曲は、後にビルボードで大ヒットを記録し、90年代のレゲエ・クロスオーバーブームを語る上で欠かせない存在となった曲だが、この時点ではまだTOP10の末席に位置しているのが興味深い。 全体として、この週のチャートはブラックミュージックの成熟したグルーヴ、UKロックの残響、AORの都会的な洗練、そして新しいレゲエ/ダンスホールの波が同じテーブルの上に並んでいたことを示している。ジャネット・ジャクソンの1位は、単なる人気の指標というより、90年代前半のポップミュージックがよりパーソナルで大人びた表現へと移行していく転換点を体現していたと言えるだろう。当時のリスナーがラジオの前でこの曲を聴きながら感じていたであろう、時代の変わり目の空気感を、今改めて想像してみたくなる一週間だ。

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1993年6月6日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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