TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年3月4日放送)

TOKIO HOT 100 1990-03-04 放送回ランキング ランキング

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1990年3月4日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年3月4日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年3月4日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはジャネット・ジャクソンの「ESCAPADE」だった。前作アルバム『Rhythm Nation 1804』からのシングルで、当時のジャネットは兄マイケルと並び称されるほどの勢いで世界的なヒットを連発していた時期にあたる。ダンサブルなビートと開放的なメロディが同居する「ESCAPADE」は、80年代後半から続くブラック・コンテンポラリーとポップスの融合が完成形に近づいていたことを象徴する楽曲であり、当時のラジオやクラブで幾度となく流れていたことは想像に難くない。1990年という年は、80年代的な打ち込みサウンドの豊潤さを引き継ぎながらも、次の10年に向けたポップスの新しい形が模索され始めた過渡期でもあった。

この週のTOP10を眺めると、そうした時代の空気が色濃く見えてくる。2位のリチャード・マークスは骨太なロック・バラードで男性シンガーソングライターの存在感を示し、3位のポーラ・アブドゥルは振付師出身らしいダンスミュージックの完成度で女性アーティストの新しい在り方を提示していた。4位のフィル・コリンズはソロアーティストとしてもプロデューサーとしても80年代を代表する存在であり、ドラマチックな曲構成は当時のAOR〜ポップスの王道を体現している。5位のB-52’sは前年のヒット「Love Shack」の勢いを保ちながらニューウェイヴ的なユーモアとダンスビートを持ち込み、6位のロクセットはヨーロッパ発のロックサウンドがアメリカのチャートにも浸透していたことを物語る。

7位のバーシアはジャジーでソフィスティケートされたポップスの代表格として独自の立ち位置を築いており、8位のロッド・スチュワートは「DOWNTOWN TRAIN」のようなトム・ウェイツ由来の楽曲をベテランらしい説得力で歌い上げていた。9位のミリ・ヴァニリはこの時期絶大な人気を誇っていたユニットで、後の騒動を知る現在から振り返ると複雑な感慨を抱かせる存在でもある。10位のセダクションはニュー・ジャック・スウィングの潮流を汲むガールグループとして、当時台頭してきたR&B色の強いポップスの一端を担っていた。

こうして並べてみると、1990年3月のこの週のチャートは、80年代のポップス・ロックの成熟と、90年代に向けたR&B/ダンスミュージックの新しい波が交差する瞬間を切り取っているように見える。ジャネット・ジャクソンの「ESCAPADE」が1位に立っていたことは象徴的で、彼女の音楽が体現していた「メッセージ性とダンスミュージックの融合」というスタイルが、これから訪れる90年代のポップスシーンの一つの指針になっていったことを、今のリスナーは知っている。当時ラジオの前でこのチャートを聴いていた人にとって、それぞれの曲がまだ「現在進行形の新曲」として響いていたことを想像すると、チャートという記録の面白さを改めて感じさせられる。

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1990年3月4日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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