TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1997年10月12日放送)

TOKIO HOT 100 1997-10-12 放送回ランキング ランキング

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1997年10月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1997年10月12日放送回)。

この週の音楽シーン

1997年10月12日放送分の「TOKIO HOT 100」でトップに輝いたのは、マライア・キャリーの「HONEY」だった。この曲はアルバム『バタフライ』からのリード・シングルで、それまでの伸びやかなバラード路線から一転、当時のヒップホップ/R&Bの空気を大胆に取り込んだトラック・メイキングが話題を呼んだ楽曲として知られている。パフィー・コンボやマス・アップこと当時のヒップホップ・プロデューサー陣とのコラボレーションが取り沙汰され、ポップスの女王がストリートの言語を自分のフィールドに引き寄せた一曲として、90年代後半のR&Bシーンを語るうえで欠かせない存在になっている。

この週のTOP10を見渡すと、90年代半ばから後半にかけての音楽シーンの多層性がよく表れている。2位にはボーイズ・II・メンの「4 SEASONS OF LONELINESS」がランクインしており、マライアと並んでこの時代のR&Bコーラス・グループの完成度の高さを示している。ハーモニーを軸にしたメロウな作風は、ヒップホップ的なビート感覚を取り入れつつも、あくまで歌のうまさで聴かせるという当時のR&Bのひとつの理想形を体現していた。

一方で3位にはザ・ローリング・ストーンズの「ANYBODY SEEN MY BABY?」、4位にはオアシスの「STAND BY ME」がランクインしており、ロックのベテランと当時のUKロックを牽引していたバンドが並んでいるのも興味深い。ストーンズは長いキャリアの中でも柔軟に同時代のサウンドを取り込む姿勢を見せ続けたバンドであり、この曲でもダンス・ミュージックの気配を感じさせる仕上がりが話題になった。オアシスは前年の『モーニング・グローリー』からの熱狂を受け継ぎながら、よりストレートなロックンロール・アンセムを鳴らしており、90年代UKロックの勢いを象徴する存在だった。

5位のジャネット・ジャクソンの「GOT ‘TIL IT’S GONE」は、ジョニ・ミッチェルのサンプリングを取り入れたトラックとして知られ、当時のR&Bがヒップホップやオルタナティブなサンプリング感覚とどう結びついていたかを示す好例だ。6位のビョークの「JOGA」は、アイスランド出身の稀代の表現者が『ホモジェニック』期に見せていた、オーケストラルかつエレクトロニックな独自の音世界の深化を印象づける一曲だった。

日本勢では7位にCHARAの「ミルク」がランクインしているのも見逃せない。国内外の曲が同じチャートに並ぶ「TOKIO HOT 100」らしい構成で、当時の邦楽シーンにおけるCHARAの独特な浮遊感を持つボーカルと世界観が、海外の主要アーティストと並んでも遜色ない存在感を放っていたことがうかがえる。8位のフォレスト・フォー・ザ・トゥリーズは、当時話題となったオルタナティブ/エレクトロニカ的なプロジェクトであり、9位のグリーン・デイ「HITCHIN’ A RIDE」はパンク・リバイバル以降のバンドがよりメロディアスな方向へと進化していく過程を示す一曲だった。10位のウルトラ・ナテ「FREE」は、90年代ハウス・ミュージックのアンセムとしてクラブ・シーンで愛され続けた楽曲である。

こうして見渡すと、この週のチャートはR&B、ロック、オルタナティブ、ハウス、そして邦楽までもが一枚のリストに共存しており、90年代後半という時代がいかにジャンルの垣根を越えて音楽を聴く空気に満ちていたかを物語っている。マライア・キャリーの「HONEY」が頂点に立ったこの週は、まさにポップスとヒップホップ/R&Bが接近していく転換点を象徴する一枚として、今振り返っても示唆に富んでいる。

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1997年10月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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