2009年2月8日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2009年2月8日放送回)。
この週の音楽シーン
2009年2月8日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、フランツ・フェルディナンドの「ULYSSES」だった。スコットランド・グラスゴー出身の彼らは、2004年のデビュー作からダンスロックの旗手として世界的な注目を集め、この曲を含む3rdアルバム『Tonight: Franz Ferdinand』でさらにサウンドの幅を広げていた時期にあたる。エレクトロニックな質感を取り入れつつも、あくまでバンドとしての骨太なグルーヴを失わない作り込みは、当時のUKロックシーンが持っていた実験精神と自信を象徴しているように感じられる。オデュッセイアの英雄の名を冠したタイトルからも、遊び心と文学的な引用を織り込む彼らならではのセンスがうかがえた。
このTOP10を眺めると、2009年初頭という時代の空気が濃く漂ってくる。2位には木村カエラの「どこ」がランクインしており、日本人アーティストが海外の強力な新譜と肩を並べる構図は、当時のJ-WAVEのチャートらしい国際色の豊かさを物語っている。3位にはU2の「GET ON YOUR BOOTS」が続き、こちらもアルバム『No Line on the Horizon』を控えたビッグネームの新曲として存在感を放っていた。UKロックの大物と新世代が同じチャートで競い合う様子は、洋楽ロックがまだラジオの中心的な聴取体験だった時代を思わせる。
4位のユニコーン「WAO!」は、活動再開後の勢いを感じさせる一曲で、90年代を知るリスナーには懐かしさと新鮮さが同時に押し寄せたはずだ。5位のリリー・アレンによる「THE FEAR」は、当時のUKポップ・シーンにおける女性アーティストの台頭を象徴する存在で、皮肉とポップさを兼ね備えた歌声が多くのリスナーを惹きつけていた。6位のROCK’A’TRENCH、9位の秦基博といった国内の実力派も並び、邦楽ロック・フォークの層の厚さも感じさせるラインナップだ。
7位の倖田來未「DRIVING」、8位のTERIYAKI BOYZによる「WORK THAT」も見逃せない。後者はファレル・ウィリアムスやクリス・ブラウンといった海外アーティストとのコラボレーションで、日本のヒップホップ・シーンが国際的なネットワークを積極的に築いていた時期の一例といえる。10位のNATTY「BADMAN」も含め、レゲエやソウルの要素を持つ楽曲が上位に食い込んでいたことは、当時のラジオが単一のジャンルに偏らず、多様な音楽性を横断的に紹介していたことの証だろう。
こうして振り返ると、この週のTOP10は、UKロックの新旧世代、日本の女性アーティストたち、そして国境を越えたコラボレーションが同じ舞台で響き合う、非常にバランスの取れた選曲だったと言える。フランツ・フェルディナンドの「ULYSSES」が1位に立ったことは、ダンスとロックの融合がまだ新鮮なエネルギーを持っていた時代を象徴する出来事であり、当時ラジオの前で耳を澄ませていたリスナーにとっては、次に何が流れるか分からないワクワク感そのものだったのではないだろうか。
2009年2月8日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 ULYSSES — FRANZ FERDINAND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 どこ — 木村 カエラ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 GET ON YOUR BOOTS — U2 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 WAO! — ユニコーン ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 THE FEAR — LILY ALLEN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 MY SUNSHINE — ROCK’A’TRENCH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 DRIVING — 倖田 來未 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 WORK THAT — TERIYAKI BOYZ FEAT. PHARRELL AND CHRIS BROWN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 朝が来る前に — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 BADMAN — NATTY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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