TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2013年5月12日放送)

TOKIO HOT 100 2013-05-12 放送回ランキング ランキング

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2013年5月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2013年5月12日放送回)。

この週の音楽シーン

2013年5月12日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、星野源の「化物」だった。星野源といえば、音楽ユニットSAKEROCKでの活動を経てソロミュージシャンとして歩みを進め、同時に俳優としても存在感を放っていた人物だが、2012年にくも膜下出血で倒れ、療養生活を余儀なくされたことは当時大きく報じられた。そこから復帰を果たし、ふたたび音楽活動を本格化させていく過程で生まれた楽曲が「化物」だったことを思うと、このタイトルには単なる比喩を超えた重みが宿っているように感じられる。生と死の境目を見つめた者だからこそ描ける、人間の内側にある得体の知れなさや不安、それでも歩みを止めない意志のようなものが、この曲の芯にはあったのではないか。派手さよりも静かな凄みで聴き手を捉える、そんな一曲が週間チャートの頂点に立ったことは、当時の邦楽シーンの成熟度を象徴する出来事だったと言える。

2位にはダフト・パンクの「GET LUCKY」がランクインしている。ファレル・ウィリアムスをフィーチャーしたこの曲は、2013年の世界中の夏を席巻したディスコ/ファンク・リバイバルの象徴であり、覆面のロボット然としたデュオが放つグルーヴは、EDM全盛だった当時のダンスミュージック地図に新しい風を吹き込んだ。1位の内省的な「化物」と、2位の開放的な「GET LUCKY」が並ぶことで、このチャートが持つ振れ幅の大きさ、そして聴取者の耳が実に多様な音楽を同時に受け入れていた時代の空気が伝わってくる。

TOP10全体を見渡すと、邦楽ロック・ポップスの層の厚さにも目を引かれる。クリープハイプの「憂、燦々」、スピッツの「さらさら」、KANA-BOONの「ないものねだり」、SEKAI NO OWARIの「RPG」、そしてゆずの「LAND」といった顔ぶれは、世代もスタイルも異なりながら、それぞれが独自のファン層とサウンドを持ち、日本のギターミュージック・ポップスシーンの奥行きを示していた。ベテランのスピッツやゆずが放つ安定した存在感の隣で、当時勢いを増していたクリープハイプやKANA-BOON、SEKAI NO OWARIといった若い世代のバンドがしのぎを削っていた構図は、まさに世代交代と共存が同時に進行していた時期らしい光景だ。

海外勢に目を移せば、ウィル・アイ・アムがジャスティン・ビーバーを迎えた「♯THATPOWER」、スウェーデン出身のマイア・ヒラサワによる「LIGHTS ARE OUT」、フランスのフェニックスによる「ENTERTAINMENT」がランクインしており、ヒップホップ、北欧ポップ、フレンチ・インディーロックと、ジャンルも地域も国境を軽やかに越えたラインナップになっている。都市型ラジオらしく、洋楽・邦楽、メジャー・インディー、内省的な曲と開放的な曲がフラットに並ぶこのTOP10は、聴き手に「今、世界中でどんな音が鳴っているか」を俯瞰させてくれる貴重な記録でもある。

星野源の「化物」がその頂点に立ったこの週は、一人のアーティストが困難を経て音楽と向き合い直す姿と、世界中の多様なサウンドが同じ土俵で響き合う瞬間が重なった、印象深い一週間だったと言えるだろう。

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2013年5月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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