TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2019年11月10日放送)

TOKIO HOT 100 2019-11-10 放送回ランキング ランキング

本ページには広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト等)を含みます。

2019年11月10日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2019年11月10日放送回)。

この週の音楽シーン

2019年11月10日放送分のJ-WAVE「TOKIO HOT 100」で首位に立ったのは、コールドプレイの「ORPHANS」だった。この時期のコールドプレイは、デビューから約20年というキャリアを積み重ねながらも、なお新作ごとに世界的な注目を集める稀有なバンドであり続けていた。7作目のフルアルバムとなる『エヴリデイ・ライフ』の制作が進められていた時期にあたり、「ORPHANS」はその先行曲として送り出された一曲である。壮大なストリングスとバンドサウンドを融合させた作風は、ロックバンドとしての骨格を保ちながらも、より普遍的でスケールの大きなポップスへと接近しようとする、当時のコールドプレイの志向をよく映し出していた。

「ORPHANS」というタイトルが示す通り、この楽曲は紛争や難民といった社会的なテーマを下敷きにしながらも、重苦しさに留まらず、生きることそのものへの祝福を感じさせるような開放的なメロディラインを持っていた点が特徴的だ。世界各地で分断や対立が語られることの多かった2010年代の終わりに、あえて希望や連帯を歌おうとするアプローチは、いかにもコールドプレイらしい振る舞いであり、ベテランバンドが持つ社会的な発言力と、大衆に開かれたポップソングとしての強度を両立させた好例として記憶されている。

この週のTOP10を見渡すと、洋楽シーンではダン+シェイとジャスティン・ビーバーによるカントリー×ポップの融合、ゼッドとキーラニによるEDMとR&Bの掛け合わせ、そしてトーンズ・アンドのアイの「DANCE MONKEY」など、ジャンルの垣根を越えたコラボレーションやクロスオーバーが目立つ。特に「DANCE MONKEY」は、SNSやストリーミングを起点に世界的なヒットへと広がっていった、当時の音楽消費の在り方を象徴する楽曲のひとつだった。ザ・1975もエレクトロニックな質感を取り入れた作品で存在感を示しており、ロックバンドがジャンルを横断していく流れが洋楽勢全体に共通して見られる。

一方で邦楽勢の存在感も際立つ週だった。ヌルバリッチはシティポップやブラックミュージックの語法を洗練させたサウンドで独自の位置を築きつつあり、EILLのような新世代のシンガーもR&B的な感性を携えて頭角を現していた。秦基博はシンガーソングライターとしての実直な歌声で、日本語ポップスの王道を支える存在として揺るぎない位置を保ち、ベックやジ・エンジーといった若手・中堅バンドの楽曲も並び、邦楽ロック・ポップスの多様性を感じさせるラインナップとなっている。

洋楽の大御所から日本の新進アーティストまでが同じチャートに並ぶこの週のTOP10は、ジャンルや国境、キャリアの長短を問わず「良い曲」が並列に評価されていた当時のリスナー環境をよく表している。コールドプレイという長い歴史を持つバンドが、新しい聴取スタイルの中でなお首位を獲得していたという事実は、時代が移り変わっても普遍的なメロディや祈りにも似たメッセージが人々の心を掴み続けることを、静かに証明していたと言えるだろう。

🎧 この曲を聴くなら[PR]

2019年11月10日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

次の週(2019年11月17日) »

ワイヤレスでも高音質で[PR]

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました