2025年2月9日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2025年2月9日放送回)。
この週の音楽シーン
2025年2月9日放送回の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、羊文学の「声」だった。塩塚モエカのボーカルを中心に、フクダヒロア、ふじきあおいの3人が紡ぐ音像は、轟音のギターと透明感のあるメロディが同居する独特の質感を持ち、日本のオルタナティブ・ロックシーンを牽引してきたバンドらしい仕上がりの一曲だ。声という一語をタイトルに据えたことからも伝わるように、歌そのものの存在感、ボーカルの息づかいを主役に置いた楽曲であり、バンドサウンドの中で「声」がどう響くかを丁寧に設計したナンバーだったと言えるだろう。邦楽ロックが洋楽の巨大ヒットと肩を並べてトップに立つという構図は、この番組が示す洋邦混在のチャートらしい光景でもある。 2位にはローゼとブルーノ・マーズによる「APT.」がランクイン。K-POPグループBLACKPINKのメンバーであるローゼと、稀代のヒットメイカーであるブルーノ・マーズの組み合わせは、2024年から世界中で大きな話題を呼んだコラボレーションで、この週も上位に食い込んでいる。ブルーノ・マーズは10位にもSexyy Redとの「FAT JUICY & WET」で名を連ねており、当時の彼の引っ張りだこぶりがうかがえる並びだ。3位にはFKA twigsが、カニエ・ウェストとキム・カーダシアンの娘であるノース・ウェストをフィーチャーした「CHILDLIKE THINGS」で登場。実験的な音楽性で知られるアーティストと、著名な家系に生まれた新世代の存在が交差する一曲として注目を集めた楽曲だ。 4位のJungleは、イギリス発のバンドらしいグルーヴィーでソウルフルなサウンドが持ち味で、「KEEP ME SATISFIED」もそうした彼ららしい浮遊感のあるトラックだった。5位には星野源の「EUREKA」がランクイン。ドラマ主題歌としても知られるこの楽曲は、ポップスの洗練とどこか実験的な要素を併せ持つ、星野源らしい一曲として支持を集めていた。6位のビヨンセ「TEXAS HOLD ‘EM」は、カントリーというジャンルに正面から挑んだ意欲作で、グラミー賞でも高く評価された楽曲。ポップの女王がジャンルの境界を軽やかに越えていく姿は、2020年代半ばの音楽シーンを象徴する出来事のひとつだった。 7位にはBALMING TIGERの「WASH AWAY」。韓国発のクルーとして、K-POPとヒップホップ、オルタナティブな感性を横断する活動で存在感を放ってきたグループの楽曲がランクインしているのも興味深い。8位の離婚伝説「しばらく」は、バンド名のインパクトとは裏腹に、じっくりと聴かせる楽曲で邦楽シーンに独自の存在感を示していた。9位は米津玄師「BOW AND ARROW」。アニメ主題歌としても知られるこの楽曲は、米津玄師らしい緻密な音作りとキャッチーさを兼ね備えた一曲で、安定した支持を集めていたことがうかがえる。 こうして並べてみると、この週のTOP10は日本のロックバンド、洋楽の大型コラボレーション、K-POP由来のクルー、アニメやドラマと結びついた邦楽ヒット曲までが一堂に会する、実にバラエティ豊かな顔ぶれだったことがわかる。1位を飾った羊文学の「声」は、そうした国境やジャンルを越えた楽曲群の中にあって、静かながらも確かな熱量を持つ日本語詞のロックとして際立っていた。バンドという编成の強さと、ボーカルの表現力そのものを聴かせる楽曲が最上位に選ばれたことは、当時のリスナーが何を求めていたかを映す鏡のようでもある。世界的なポップスターたちの饗宴の中で、地に足のついた邦楽バンドが1位を獲得した事実は、この時代のチャートの豊かさを物語る象徴的な一週だったと言えるだろう。
2025年2月9日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
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- 2位 APT. — ROSE & BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 CHILDLIKE THINGS — FKA TWIGS FEAT. NORTH WEST ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 KEEP ME SATISFIED — JUNGLE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 EUREKA — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 TEXAS HOLD ‘EM — BEYONCE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 WASH AWAY — BALMING TIGER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 しばらく — 離婚伝説 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 BOW AND ARROW — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 FAT JUICY & WET — SEXYY RED & BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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