2018年9月30日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2018年9月30日放送回)。
この週の音楽シーン
2018年9月30日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、Silk City(Mark Ronson&Diplo)とDua Lipaがタッグを組んだ「Electricity」だった。この曲は、当時すでに「New Rules」などで世界的なブレイクを果たしていたDua Lipaと、プロデューサーとして数々のヒットを手がけてきたMark RonsonとDiploによるユニット、Silk Cityとのコラボレーションという、まさに”実力者同士”の顔合わせだった。四つ打ちのハウス的なビートに、Dua Lipaの芯のある低めのボーカルが乗ることで、単なるダンスミュージックにとどまらない骨太なポップソングに仕上がっている。2018年前後は、EDMブームがひと段落しつつも、そのエッセンスをポップスの文法に取り込んだ楽曲が世界的に支持を集めていた時期であり、この曲はまさにその潮流を象徴する一曲だったと言える。フェスのメインステージでも、深夜のクラブでも鳴らせる汎用性の高さが、多くのリスナーやDJから支持を集めた理由だろう。
この週のチャートを見渡すと、Silk City & Dua Lipaのようなダンスミュージック系のヒットだけでなく、ベテランアーティストの底力を感じさせる楽曲も上位に並んでいるのが興味深い。3位のPaul McCartneyによる「Come On To Me」は、当時リリースされたアルバム「Egypt Station」からのシングルで、還暦をとうに超えてなお現役感を失わないロックンロールのグルーヴが心地よい一曲だった。7位のJanet Jacksonも、Daddy Yankeeという当時全米チャートでも存在感を増していたレゲトンのスターと組むことで、新しい世代のリスナーにもアプローチしていた。ベテランたちが同時代のトレンドを柔軟に取り込みながら現役感を更新していく姿は、この時期の海外チャートの一つの見どころだったように思う。
邦楽勢に目を向けると、2位にはきのこ帝国の「金木犀の夜」がランクインしている。放送日が9月末ということもあり、まさに金木犀が香り始める季節にぴったりの一曲で、日本語詞の情緒とオルタナティブ・ロックのサウンドメイクが融合した、日本のロックシーンならではの叙情性を感じさせる楽曲だった。4位には星野源の「アイデア」。当時放送されていたドラマの主題歌としても親しまれ、軽やかなポップスの中に独特のリズム感とユーモアを忍ばせる、星野源らしい仕上がりの一曲だ。8位のMISIA feat. HIDE(GReeeeN)による「アイノカタチ」は、日本のR&B/ポップスの系譜を代表する歌姫と、当時ヒットメーカーとして活躍していたGReeeeNのHIDEが手を組んだことでも話題になった楽曲で、壮大なバラードとしての完成度の高さが光る。10位のASIAN KUNG-FU GENERATION「ボーイズ&ガールズ」は、2000年代から日本のロックシーンを牽引してきたバンドが、変わらぬ疾走感のあるサウンドを鳴らし続けていたことを示す一曲だった。
海外勢では、Calvin HarrisとSam Smithによる「Promises」も5位にランクインしており、こちらもダンスミュージックとポップスの融合という文脈で1位のElectricityと並べて聴くと面白い。R&Bシンガーとして注目を集め始めていたElla Maiの「Trip」も9位に入っており、当時のR&B/ポップシーンの新しい才能の台頭を感じさせるラインナップだった。6位の高橋優「ありがとう」も含め、この週のTOP10は洋楽・邦楽問わずジャンルの幅が広く、ダンスミュージック、ロック、R&B、バラードといった多様な音楽性が一つのチャートの中に同居していたことがうかがえる。2018年秋という時代の空気を、こうして一つの週のランキングから振り返ってみると、ジャンルの垣根が緩やかに溶け合いながらも、それぞれの音楽が持つ個性がしっかりと際立っていた時期だったのだと改めて感じさせられる。
2018年9月30日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 ELECTRICITY — SILK CITY, DUA LIPA FEAT. DIPLO AND MARK RONSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 金木犀の夜 — きのこ帝国 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 COME ON TO ME — PAUL MCCARTNEY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 アイデア — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 PROMISES — CALVIN HARRIS AND SAM SMITH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 ありがとう — 高橋 優 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 MADE FOR NOW — JANET JACKSON AND DADDY YANKEE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 アイノカタチ — MISIA FEAT. HIDE(GREEEEN) ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 TRIP — ELLA MAI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 ボーイズ&ガールズ — ASIAN KUNG-FU GENERATION ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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