TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2016年9月11日放送)

TOKIO HOT 100 2016-09-11 放送回ランキング ランキング

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2016年9月11日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2016年9月11日放送回)。

この週の音楽シーン

2016年9月11日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、TOP10には邦楽・洋楽・多国籍な音の潮流が混在し、当時のラジオが映し出していた空気の豊かさを感じ取ることができる。1位に輝いたのはRADWIMPSの「前前前世」。この年の夏に公開され社会現象的なヒットとなった新海誠監督のアニメーション映画のために書き下ろされた楽曲で、映画の物語世界と分かちがたく結びついた作品として、多くのリスナーの耳に焼き付いていた時期だ。バンドという形式でありながら、疾走感のあるギターロックのフォーマットに、映像作品のために練り上げられた緻密な言葉選びが乗る構成は、従来のタイアップ曲とは一線を画すものとして受け止められていた。ラジオという音だけのメディアで聴いても、映像的な広がりを感じさせる曲づくりが支持を集めた背景には、映画自体の熱狂的な受容があったことは間違いないだろう。

この週のチャートを見渡すと、2位にはDJ SnakeとJustin Bieberによる「Let Me Love You」がランクイン。EDMとポップスの融合がグローバルスタンダードとなっていた時代を象徴する一曲で、フランス出身のプロデューサーとアメリカの人気シンガーという組み合わせ自体が、当時の音楽シーンのボーダレス化を体現していた。7位のThe Chainsmokers feat. Halseyによる「Closer」も同様に、エレクトロニックな質感とメロディアスな歌が同居するスタイルが世界的に広がっていたことを物語る。

邦楽勢も充実していた。5位には椎名林檎の「ジユーダム」、6位にはスピッツの「醒めない」、8位にはAimerの「蝶々結び」がそれぞれランクインしており、世代もスタイルも異なるアーティストたちが同じチャートの中で拮抗していた点が興味深い。椎名林檎の言葉に対する独特の感性、スピッツが長年培ってきたポップスとしての強度、Aimerの透明感のある歌声によるアニメ関連楽曲の存在感と、それぞれが異なるリスナー層にリーチしていたことが窺える。3位のMIYAVIによる「Fire Bird」は、ギタリストとしての技巧とグローバルな活動を続けてきたアーティストらしい一曲として耳を引く。

また9位の冨田ラボ feat. YONCEによる「RADIO体操ガール」や、10位のロバート・グラスパー・エクスペリメントによる「Day To Day」、4位のノラ・ジョーンズによる「Carry On」といった楽曲が並ぶあたりに、このチャートが単なるヒット曲の集積ではなく、ジャズやソウルの語法を取り込んだ音楽的な質の高さにも目を向けていたことが伝わってくる。ロバート・グラスパーはジャズとヒップホップ、R&Bを架橋する存在として2010年代の音楽シーンに大きな影響を与えており、その名前がTOP10に入っていること自体、番組が持っていたリスナーへの信頼と選曲の幅の広さを物語っている。

この一週間を切り取るだけでも、映画音楽としての「前前前世」を頂点に、エレクトロポップ、邦楽ロック、アニメソング、ジャズ/ソウルが同じ土俵で鳴っていたことがわかる。ジャンルの垣根が薄れつつあった2016年という時代の空気を、このチャートは静かに、しかし確かに記録していたと言えるだろう。

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2016年9月11日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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