TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年6月11日放送)

TOKIO HOT 100 1989-06-11 放送回ランキング ランキング

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1989年6月11日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年6月11日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年6月11日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、マイケル・デミアンの「ROCK ON」だった。もともとはデヴィッド・エセックスが1973年に発表したロックナンバーで、グラム・ロック期特有の浮遊感あるサウンドとタイトル通りの「ロックしようぜ」という高揚感が持ち味の楽曲だ。それを80年代末のポップ/ロック・サウンドに置き換えてカバーしたのがデミアン版であり、当時公開された映画『Dream a Little Dream』のサウンドトラックに起用されたことで大きな注目を集めた。デミアン自身はアメリカの人気昼ドラ『The Young and the Restless』の俳優としても知られており、俳優が歌手活動でヒットを飛ばすというのは、この時代のアメリカン・ポップシーンではしばしば見られた現象だった。オールディーズのカバーが最新のプロダクションで蘇り、映画とタイアップして支持を広げるという構図は、80年代後半のアメリカのヒットチャートを象徴する一例といえる。

この週のTOP10を見渡すと、1989年という年がいかに音楽的な過渡期であったかがよくわかる。2位にはポール・マッカートニーの「MY BRAVE FACE」。エルヴィス・コステロとの共作曲で、ビートルズ時代を思わせるメロディアスなベースラインが評判を呼び、往年のファンのみならず新しい世代にもアピールした一曲だ。3位のリチャード・マークスは、シンガーソングライター系ロックの代表格として全米で絶大な人気を誇っており、「SATISFIED」もその歌唱力とメロディセンスが光る仕上がりだった。4位のスティーヴィー・ニックスはフリートウッド・マックのボーカリストとしてのキャリアに加え、ソロアーティストとしても独自の幻想的な世界観を築いており、「ROOMS ON FIRE」にもその個性がにじんでいる。

5位のドゥービー・ブラザーズ、6位のアレサ・フランクリン&エルトン・ジョンという顔ぶれは、ベテラン勢が依然として現役でヒットチャートに名を連ねていたことを物語る。特にアレサとエルトンという二人のソウル/ポップ界の重鎮による共演曲「THROUGH THE STORM」は、世代を超えたコラボレーションの魅力を伝える一曲だった。7位のハワード・ジョーンズはシンセサイザーを駆使したサウンドで80年代前半から支持を集めてきたアーティストであり、この時期になってもなお独自のポップセンスを発揮していた。

一方で8位のポーラ・アブドゥル、9位のジョディ・ワトリーは、当時のダンス/R&Bシーンの勢いを象徴する存在だった。ポーラはダンサー・振付師としてのキャリアを経て歌手デビューし、「FOREVER YOUR GIRL」はアルバムタイトル曲として大きな話題を呼んでいた時期にあたる。ジョディ・ワトリーもまた洗練されたダンスミュージックで注目を集めており、都会的なグルーヴが持ち味だった。10位には大御所ダイアナ・ロスが名を連ね、モータウン以来のキャリアを誇るディーヴァが最新のプロダクションでも存在感を示していたことがうかがえる。

こうして並べてみると、この週のTOP10はロック、ポップ、ソウル、ダンスミュージックが渾然一体となった多様性が際立つ。ベテランの貫禄と新世代の勢いが同居し、映画タイアップやカバー曲、豪華コラボレーションが入り混じるあたりに、1989年という80年代の終わりを飾るにふさわしい豊かな音楽シーンの空気が凝縮されている。

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1989年6月11日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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