2026年6月21日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2026年6月21日放送回)。
この週の音楽シーン
2026年6月21日のTOKIO HOT 100、栄えある1位に輝いたのはTAYLOR SWIFTの「I KNEW IT, I KNEW YOU」だった。タイトルからしてすでに雄弁で、「わかっていた」という確信と「あなたを知っていた」という既視感が重なり合う言葉選びは、彼女がこれまでも得意としてきた、恋愛の始まりや再会の瞬間を切り取る作家性の延長線上にあるように感じられる。デビュー期のカントリー由来のストーリーテリングから、シンセポップ、フォーク寄りのサウンドまで、作品ごとに衣替えをしながらも「一人称の告白」という核を崩さずにきたのが彼女というアーティストであり、この曲がチャートの頂点に立ったこと自体、そのスタイルが依然として多くのリスナーの耳を捉えていることの証左だろう。
2位にはUKのバンド、JUNGLEの「THE WAVE」がつけている。グルーヴを前面に出したソウル/ファンク由来のバンドサウンドが、ポップスのメインストリームに食い込んでくる構図は近年よく見られる光景で、この週のチャートもその流れを裏づけている。3位のLISA、ANITTA & REMAによる「GOALS」は、K-POP、ラテン、アフロビーツという三者三様のバックグラウンドが一曲に同居するコラボレーションで、国境をまたいだフィーチャリングがもはや特別なことではなくなった時代性を象徴しているように映る。
邦楽勢では4位に「景色」でJI BLUEが、5位に「IRIS OUT」で米津玄師がランクイン。米津玄師は言葉の一語一語に映像的な情報量を詰め込む書き手として知られ、タイトルの「IRIS OUT」という映画的な演出用語からも、視覚的なイメージを喚起させる作風がうかがえる。国内アーティストが海外勢と肩を並べてTOP5に入ってくることは、日本語詞のポップスがドメスティックな枠を超えて聴かれている現状を映す鏡のようでもある。
6位のLE SSERAFIM「IFFY IFFY」、8位と10位にBTSが「SWIM」「COME OVER」で二曲同時ランクインしているのも見逃せない。グループとして複数曲が同時にチャートインする現象は、単発のヒット曲頼みではなく、アルバム全体、あるいは継続的なリリース戦略そのものがリスナーに支持されていることを示している。7位のMADONNA「LOVE SENSATION」は、長いキャリアを持つアーティストが最新の曲でなお現役のチャートに顔を出すという、世代を超えた強度を感じさせる並びだ。9位のSHAKIRA & BURNA BOYによる「DAI DAI」も、ラテンとアフロビーツの融合という意味で3位の楽曲と呼応しており、この週のTOP10全体を眺めると、英語圏のポップス、K-POP、日本語詞、ラテン、アフロビーツが分け隔てなく並ぶ、極めてグローバルでフラットな地図が浮かび上がってくる。
そうした多様な布陣のなかで頂点に立ったのがTAYLOR SWIFTだったという事実は、彼女がジャンルやトレンドの変遷を渡り歩きながらも、常に「今」の聴かれ方にフィットさせてきた作家としての強靭さを改めて示している。一曲のタイトルに込められた「知っていた」という感覚は、リスナーが彼女の音楽に対して抱く安心感や信頼そのものとも重なる。この週のTOP10を振り返ると、個々の楽曲の魅力もさることながら、国籍もジャンルも軽々と越境しながら共存するチャートの姿そのものが、当時のポップミュージックが置かれていた自由な空気をよく表していたと言えるだろう。
2026年6月21日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 I KNEW IT, I KNEW YOU — TAYLOR SWIFT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 THE WAVE — JUNGLE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 GOALS — LISA, ANITTA & REMA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 景色 — JI BLUE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 IRIS OUT — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 IFFY IFFY — LE SSERAFIM ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 LOVE SENSATION — MADONNA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 SWIM — BTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 DAI DAI — SHAKIRA & BURNA BOY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 COME OVER — BTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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