TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1997年2月23日放送)

TOKIO HOT 100 1997-02-23 放送回ランキング ランキング

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1997年2月23日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1997年2月23日放送回)。

この週の音楽シーン

1997年2月23日放送分の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、BEN FOLDS FIVEの「SONG FOR THE DUMPED」だった。バンド名に反してメンバーは3人、しかもギターレスでピアノトリオという異色編成が、当時のオルタナ/ギターロック全盛のシーンにおいてひときわ異彩を放っていた存在である。ピアノを主軸にした攻撃的なバンドサウンドは、グランジ以降の「静と動」の文法とはまた違う、どこかパンクでコミカルなエネルギーを持っており、失恋の怒りや自嘲をユーモラスに、しかし勢いよく叩きつけるようなこの曲は、90年代半ばのオルタナティブ・ロックが持っていた「シリアスさへの照れ」を象徴していたようにも思える。

この週のTOP10を眺めると、時代の空気が濃密に立ち上ってくる。2位にはDAVID BOWIEの「LITTLE WONDER」。前年発表のアルバム『Earthling』からのシングルで、ドラムンベースの質感を大胆に取り入れたトラックは、ベテランが臆面もなく最新のクラブ・ミュージックの語法を吸収していく姿勢を見せつけていた。3位のBLUR「BEETLEBUM」も見逃せない。ブリットポップの覇権争いの渦中にあった彼らが、より内省的でサイケデリックな音像へと舵を切った転換点的な楽曲であり、この年のUKロックが次のフェーズへ進もうとしていたことを物語っている。

4位のJAMIROQUAIによる「COSMIC GIRL」は、アシッドジャズとファンクを軽やかに融合させたグルーヴが心地よく、90年代後半のクラブ・カルチャーとポップスの距離の近さを体現する一曲だった。5位のU2「DISCOTHEQUE」も同様に、ロックバンドがダンスミュージックの要素を貪欲に取り込んでいた時代の証言者と言える。ギターロックとダンスミュージックの境界線が急速に溶け始めていたのが、この時期の大きな特徴だ。

一方で6位のERIC CLAPTON「CHANGE THE WORLD」や7位のMADONNA「DON’T CRY FOR ME ARGENTINA」のように、映画音楽やベテラン勢の存在感も色濃く残っており、新旧のポップミュージックが同じチャートの中で拮抗していた様子がうかがえる。8位のNUYORICAN SOUL feat. INDIAによる「RUNAWAY」は、ハウス・ミュージックのルーツにあるラテン、ソウル、ジャズの要素を再構築したクラブ・クラシックであり、こうした楽曲がラジオのメインストリームチャートに顔を出していたこと自体、当時のリスナーの耳の広さを感じさせる。そして10位のUNDERWORLD「BORN SLIPPY」は、映画『トレインスポッティング』のカルチャー的インパクトとともに、テクノ/ダンスミュージックがロックリスナーの間にも浸透していく象徴的な存在だった。

こうして振り返ると、この週のチャートはギターロック、エレクトロニカ、クラブミュージック、そして往年のスターたちが渾然一体となった、90年代後半特有の越境感に満ちている。BEN FOLDS FIVEの1位獲得は、その多様性のなかで「バンドサウンドの新しい形」が確かな支持を得ていたことの証左であり、当時のラジオが持っていた選曲の自由さと耳の鋭さを、今なお感じさせてくれるものだ。

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1997年2月23日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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