2013年5月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2013年5月19日放送回)。
この週の音楽シーン
2013年5月19日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはダフト・パンクの「GET LUCKY」(フィーチャリングにファレル・ウィリアムスを迎えた一曲)だった。この年、フランス出身のロボット・デュオはアルバム『Random Access Memories』を引っ提げて世界中のチャートを席巻していたが、その象徴的な存在がまさにこの曲だったと言える。ナイル・ロジャースによるあのカッティング・ギターが鳴り出した瞬間、多くのリスナーが「これは特別な夏になる」と直感したはずだ。エレクトロニックミュージックがひとつの到達点を迎えつつあった時期に、あえてディスコやファンクという生演奏の温かみに回帰した姿勢は、当時の音楽シーンに新鮮な衝撃を与えた。デジタルとアナログ、過去と未来が交差するその感覚こそが、2013年という時代の空気そのものだったのかもしれない。
2位には星野源の「化物」がランクインしている。ソロアーティストとしての活動はもちろん、バンド活動や俳優業もこなすマルチな才能として、この頃すでに独自のポジションを築きつつあった星野源。日本語のポップスとしての完成度の高さは、海外発のダンスミュージックが上位を占めるこの週のチャートの中でも異彩を放っていた。
この週のTOP10を眺めると、洋楽と邦楽が絶妙に混在しているのも興味深い。3位にはプライマル・スクリームが「IT’S ALRIGHT,IT’S OK」でランクイン。ロックンロールの熱量を保ちながら現在も第一線で活動を続けるバンドの底力を感じさせる。5位のヴァンパイア・ウィークエンドの「DIANE YOUNG」も、アルバム『Modern Vampires of the City』からのシングルとして、インディーロックの新たな地平を切り拓いていた時期の楽曲だ。
邦楽勢では4位のクリープハイプ「憂、燦々」、6位のKANA-BOON「ないものねだり」が並び、この時期に頭角を現していたロックバンドたちの勢いを感じさせる。特にKANA-BOONは、後にアニメタイアップなどで広く知られるようになるが、この頃はまだそのブレイク前夜だったとも言える時期だ。7位にはスピッツの「さらさら」がランクインしており、デビューから長い年月を経てなお新曲でチャートインし続けるバンドとしての底力を見せつけている。
9位のRIP SLYMEによる「ロングバケーション」も印象的だ。日本語ラップシーンの先駆者として長く活動してきた彼らの楽曲が、洋楽ポップスやロックと肩を並べる形でチャートインしていることは、当時のJ-WAVEのリスナー層の音楽的な幅広さを物語っている。10位のアヴリル・ラヴィーンの「HERE’S TO NEVER GROWING UP」も、2000年代から続くポップパンクの系譜を感じさせる一曲として耳に残る。
このように振り返ると、2013年5月のこの週は、エレクトロニックとロック、日本語詞と英語詞、ベテランと新鋭が見事に共存していた稀有な瞬間だったと言える。「GET LUCKY」が1位に輝いたこの週は、まさに音楽シーン全体が新しい多様性へと踏み出していく、その象徴的な一週間だったのではないだろうか。
2013年5月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 GET LUCKY — DAFT PUNK FEAT. PHARRELL WILLIAMS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 化物 — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 IT’S ALRIGHT,IT’S OK — PRIMAL SCREAM ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 憂、燦々 — クリープハイプ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 DIANE YOUNG — VAMPIRE WEEKEND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 ないものねだり — KANA-BOON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 さらさら — SPITZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 LIGHTS ARE OUT — MAIA HIRASAWA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 ロングバケーション — RIP SLYME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 HERE’S TO NEVER GROWING UP — AVRIL LAVIGNE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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