2025年12月14日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2025年12月14日放送回)。
この週の音楽シーン
2025年12月14日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、HUNTR/X、EJAE、AUDREY NUNA、REI AMIらが名を連ねる「GOLDEN」。この曲はNetflixが送り出したアニメーション作品「KPOP Demon Hunters」から生まれた楽曲で、劇中に登場する架空のガールグループ「HUNTR/X」の声を担当する実在のシンガーたちが歌唱を務めている点が大きな話題を呼んだ。フィクションのグループが現実のチャートを賑わせるという現象自体が、2025年という年の音楽消費のあり方を象徴していたと言えるだろう。ストリーミングとSNSが可視化する「バイラル性」が、もはやアーティストの実在・非実在という境界すら軽々と越えていく。そんな時代の空気を体現する1曲が、この週のTOP10のトップに立っていた。
楽曲そのものに耳を傾ければ、K-POPのきらびやかなプロダクションと、アメリカのポップスが培ってきたメロディメイクの技術が違和感なく融合している。EJAE、AUDREY NUNA、REI AMIという、それぞれソロアーティストとしても独自のキャリアを積んできたシンガーたちの声が重なり合うことで、単なるアニメ主題歌の枠を超えたグルーヴが生まれていた。ハリウッド発のアニメーションとK-POPというフォーマットの掛け合わせは、両者のファンダムを同時に巻き込みながら、国境や媒体の壁を軽やかに飛び越えていく2025年らしいヒットの作り方だったのではないだろうか。
2位のHANAによる「NON STOP」、10位のILLITによる「NOT CUTE ANYMORE」など、この週のチャートにはK-POPシーンの厚みを感じさせる楽曲が複数ランクインしていた。国内のリスナーにとってK-POPはすでに特別な「外来文化」ではなく、Jポップやヒップホップと地続きの選択肢として日常に溶け込んでいたことが、こうした並びからも読み取れる。
一方で3位には日本のロックバンドを代表する存在であるOfficial髭男dismの「SANITIZER」がランクイン。バンドサウンドならではの生々しいエネルギーが、デジタルプロダクション主体の楽曲群の中で異彩を放っていた。8位のVAUNDYによる「前前前世」も印象的だ。もともと新海誠監督のヒット映画に紐づく楽曲を、令和のシンガーソングライターが独自の解釈で歌い継ぐという構図は、世代を超えて楽曲が生き続ける様を物語っている。
また7位には米津玄師と宇多田ヒカルという、平成から令和にかけて日本の音楽シーンを牽引してきた二人による「JANE DOE」がランクイン。世代の異なる才能が一つの楽曲で出会う瞬間は、リスナーにとって特別な意味を持っていたはずだ。4位のBALMING TIGERとYAEJIによる「WO AI NI」、6位のCA7RIEL & PACO AMOROSOによる「GIMME MORE」は、アジアと南米、それぞれの地域から発信されるオルタナティブなポップミュージックの存在感を示していた。5位のTHUNDERCATによる「UPSIDE DOWN(CANDY CRUSH)」は、ジャズやファンクのルーツを持つミュージシャンがモバイルゲームの世界観と結びつくという、これもまた越境的な一曲だった。
こうして見渡すと、この週のTOP10はジャンルも国籍も世代も異なる楽曲が一堂に会し、「グローバル」と「ローカル」、「リアル」と「フィクション」といった従来の境界線が溶け合っていく2025年の音楽シーンの縮図だったと言える。GOLDENの1位獲得は、その象徴的な出来事として記憶されるべきだろう。
2025年12月14日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 GOLDEN — HUNTR/X,EJAE,AUDREY NUNA,REI AMI & KPOP DEMON HUNTERS CAST ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 NON STOP — HANA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 SANITIZER — OFFICIAL髭男DISM ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 WO AI NI — BALMING TIGER & YAEJI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 UPSIDE DOWN(CANDY CRUSH) — THUNDERCAT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 GIMME MORE — CA7RIEL & PACO AMOROSO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 JANE DOE — 米津 玄師 & 宇多田 ヒカル ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 前前前世 — VAUNDY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 EGO OF A MAN — MIKAYLA GEIER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 NOT CUTE ANYMORE — ILLIT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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