TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2008年3月16日放送)

TOKIO HOT 100 2008-03-16 放送回ランキング ランキング

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2008年3月16日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2008年3月16日放送回)。

この週の音楽シーン

2008年3月16日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ジャネット・ジャクソンの「ROCK WITH U」だった。アルバム『Discipline』からのシングルで、ダンスフロアを意識したビートの効いたトラックに、ジャネットならではの囁くようなヴォーカルが重なる楽曲である。90年代からR&Bとポップスの橋渡し役を担ってきた彼女が、この時期もなお第一線でシングルヒットを送り出していたという事実は、2008年という年がまだCDシングルやダウンロード配信を通じて洋楽が日本のチャートに食い込んでいた時代であったことを物語っている。

この週のTOP10を眺めると、洋楽と邦楽が拮抗しながら並んでいるのが印象的だ。2位には絢香の「手をつなごう」、5位にはASIAN KUNG-FU GENERATIONの「転がる岩、君に朝が降る」、6位には宇多田ヒカルの「HEART STATION」、8位には一青窈の「空中ブランコ」、10位にはSUPERFLYの「愛をこめて花束を」と、邦楽勢も粒ぞろいだった。一方で3位のセルジオ・メンデス feat. ファーギー、4位のアデル、7位のジャック・ジョンソン、9位のヤエル・ナイムと、洋楽勢もジャンルを問わず存在感を放っている。ジャネットの1位という結果は、単なる懐かしのポップスターの復権というより、当時のJ-WAVEのリスナー層が持っていた、洋邦の垣根を意識しない耳の広さを象徴しているように思える。

2008年という年は、iPodやiTunesが音楽の聴き方を大きく変えつつあった過渡期でもあった。CDショップでの試聴やラジオのオンエアがまだ強い影響力を持ちながらも、デジタル配信でのシングル購入が徐々に一般化し始めていた時期だ。ジャネット・ジャクソンのようなベテランアーティストが新曲を出せば、まだラジオのヘビーローテーションを通じて多くのリスナーに届く土壌が残っていたことを、この1位という結果は物語っている。

「ROCK WITH U」の聴きどころは、なんといってもそのミニマルなビートメイクにある。派手なサビで押し切るタイプの楽曲ではなく、反復するグルーヴの中にじわじわと引き込まれていく構成は、ジミー・ジャム&テリー・ルイスとのコラボレーションで培われてきたジャネット流のダンスミュージックの美学そのものだ。声を張り上げるのではなく、あえて抑えたヴォーカルで空間を作るスタイルは、当時のR&Bシーンにおいても独自の存在感を放っていた。

同じ週にランクインしていたアデルの「CHASING PAVEMENTS」は、この後彼女が世界的なディーヴァへと成長していく最初期の一曲であり、ヤエル・ナイムの「NEW SOUL」もCMソングとして広く知られるようになる前夜の一曲だった。そうした後に大きな軌跡を残すことになる楽曲たちと肩を並べて1位を獲得したジャネットの楽曲は、ベテランと新人が同じ土俵で評価される、ラジオチャートならではの面白さを体現していたと言えるだろう。

邦楽勢では絢香や宇多田ヒカル、一青窈といった女性シンガーたちが上位に名を連ねており、当時の日本の音楽シーンにおける女性ヴォーカリストの層の厚さもうかがえる。ジャネット・ジャクソンという海外の大御所と、国内の実力派たちが同じチャートの中で共存していたこの週は、洋楽と邦楽が自然に混ざり合っていた2000年代後半のラジオシーンらしい一枚のスナップショットとして、今振り返っても興味深い。

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2008年3月16日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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