2007年8月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2007年8月12日放送回)。
この週の音楽シーン
2007年8月12日放送のJ-WAVE「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、MONKEY MAJIKの「空はまるで」だった。盛岡を拠点に活動してきたメイソン兄弟とふたりの日本人メンバーによるこのバンドは、カナダ出身のメンバーが混じるという成り立ちそのものが、洋楽と邦楽を等しく編成するこの番組のチャートと相性のいい存在だったと言える。英語詞と日本語詞が自然に溶け合う歌唱スタイルは、当時の邦楽ロックシーンの中でも独特の透明感を放っており、「空はまるで」もまた、突き抜けるようなギターサウンドと爽やかなコーラスワークで、夏の空気にふさわしい一曲として多くのリスナーに届いていた。国内的な文脈だけでなく、海外のインディーポップやオルタナティブロックの空気も自然に取り込んだサウンドメイクは、ジャンルの壁を軽やかに越えていくこのバンドらしさをよく体現していたように思う。
この週のTOP10を見渡すと、1位の顔ぶれ以上に、並びそのものが2007年という時代の空気をよく映し出している。2位にはUSのインディーロックバンドMELEEの「BUILT TO LAST」、3位には当時ブレイク中だったSUPERFLYの「マニフェスト」が続き、国内女性ボーカルロックの新しい波と、海外の若手バンドの勢いが同居していた。4位のCHEMISTRYによる「THIS NIGHT」は、R&Bデュオとしての円熟味を感じさせるナンバーで、5位のTUOMOはフィンランド出身のソウルシンガーとして、洋楽ソウル/AORの質感を持ち込んでいた。6位のMUTYA BUENAは、元Sugababesのメンバーとしてのソロ活動が注目されていた時期であり、「REAL GIRL」はUKのポップセンスを感じさせる仕上がりだった。
7位のSPITZ「群青」は、ベテランバンドとしての安定した存在感を示し、8位のRAUL MIDONはアコースティックギター一本で紡ぐソウルフルな歌声が印象的なシンガーソングライターとして異彩を放っていた。9位のRIP SLYMEによる「熱帯夜」は、日本語ヒップホップがポップフィールドにも浸透していた当時の空気を象徴する一曲であり、10位のKT TUNSTALLは、女性シンガーソングライターによるギターポップ/フォークロックの潮流を体現する存在として、海外でも国内でも高く評価されていた時期だった。
こうして並べてみると、この週のTOP10は国籍もジャンルも実に多彩で、邦楽ロック、USインディー、UKソウル、北欧出身のシンガー、アコースティックソウル、日本語ラップ、女性SSWまでが一つのランキングの中に共存していた。J-WAVEというラジオ局が長年培ってきた、洋楽と邦楽を分け隔てなく並べるという編成の姿勢が、このチャートの一週間にも色濃く反映されている。2007年の夏は、iPodや音楽配信が急速に普及し始め、リスナーが自分の好みでジャンルを横断的に聴く土壌が整いつつあった時期でもある。MONKEY MAJIKの1位獲得は、そうした「境界のない聴き方」が求められ始めた時代の空気と重なって見える。国籍やジャンルを問わず、良い曲は良いという当たり前のことを、このチャートは静かに証明していたのかもしれない。今聴き返しても、この週の10曲は驚くほど風通しがよく、2007年の夏の空気をそのまま閉じ込めたタイムカプセルのように響く。
2007年8月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 空はまるで — MONKEY MAJIK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 BUILT TO LAST — MELEE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 マニフェスト — SUPERFLY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 THIS NIGHT — CHEMISTRY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 DON’T TAKE IT TOO HARD — TUOMO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 REAL GIRL — MUTYA BUENA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 群青 — SPITZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 PICK SOMEBODY UP — RAUL MIDON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 熱帯夜 — RIP SLYME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 HOLD ON — KT TUNSTALL ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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