TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2007年6月3日放送)

TOKIO HOT 100 2007-06-03 放送回ランキング ランキング

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2007年6月3日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2007年6月3日放送回)。

この週の音楽シーン

2007年6月3日放送のJ-WAVE「TOKIO HOT 100」で首位に立ったのは、MAROON 5の「MAKES ME WONDER」だった。アダム・リヴァインの少し掠れた歌声と、跳ねるようなベースライン、ファンクの香りを残したギターカッティングが絡み合うこの曲は、ロックバンドがダンスフロアへと接近していく当時の潮流を象徴する一曲だったと言える。アルバム『It Won’t Be Soon Before Long』からのシングルで、バンドが単なる「ポップロックの優等生」から一歩踏み出し、グルーヴを前面に押し出したサウンドへと舵を切った時期の作品でもある。ギターロックとブラックミュージックの境界が溶け合っていく2000年代後半の空気を、この曲は軽やかに体現していた。

このTOP10を眺めると、当時のラジオが提示していた音楽地図の広さがよくわかる。2位のLINKIN PARKは「WHAT I’VE DONE」で、ラウドロックの枠に収まらない壮大なアレンジに挑んでおり、ニューメタル世代のバンドが表現の幅を広げていく過渡期を感じさせる。3位のAMERIE「TAKE CONTROL」はR&Bのしなやかなグルーヴ、9位のJUSTICE「D.A.N.C.E」はフレンチエレクトロの快活さを持ち込み、7位のAVRIL LAVIGNE「GIRLFRIEND」はポップパンクのキャッチーさで存在感を放つ。ジャンルの垣根を越えた選曲が並ぶことこそ、この時代の洋楽シーンの豊かさそのものだったのだろう。

一方で邦楽勢も存在感を示している。5位には竹内まりやの「人生の扉」。年齢を重ねることを肯定的に見つめ直す歌詞世界と、丁寧に紡がれたメロディが多くのリスナーの心を掴んだ、後年までロングセラーとなる名曲だ。6位の桑田佳祐「明日晴れるかな」は、ソロ活動における桑田節の円熟味を感じさせる楽曲であり、8位のクラムボン「MERRY GO ROUND!」は日本のオルタナティブなバンドシーンの豊かさを、10位のaiko「シアワセ」は等身大の恋愛観を描くポップスの強さを、それぞれ体現していた。4位のAXE RIVERBOYのようにこの時期ならではの国内バンドが並ぶのも興味深い。

洋楽・邦楽、ロック・R&B・エレクトロが同じテーブルに並ぶこの週のランキングは、ジャンルの純度よりも「グルーヴ」や「メロディの強さ」が横断的に評価されていた時代の感覚を映し出している。iPodやiTunesが音楽の聴き方そのものを変えつつあった2007年、リスナーはアルバム単位ではなく一曲一曲を自由に選び取るようになっていた。そうした聴取スタイルの変化と、ラジオが提示する多彩な選曲は、どこか呼応していたように思える。

MAROON 5「MAKES ME WONDER」が首位に置かれたこの週のチャートは、ロックバンドがダンスミュージックの語彙を取り込みながら新しいポップの形を模索していた時代の空気を、いまも鮮やかに伝えてくれる。同時に、竹内まりやや桑田佳祐といった円熟した邦楽の存在感が示すように、世代やジャンルを問わず「良い曲」が並列に評価される懐の深さこそが、当時のTOKIO HOT 100というランキングの魅力だったのではないだろうか。

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2007年6月3日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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