2025年1月5日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2025年1月5日放送回)。
この週の音楽シーン
2025年最初の週を飾ったのは、ROSEとBruno Marsによる「APT.」だった。BLACKPINKのメンバーとして活動してきたROSEにとって、ソロとしての存在感を世界規模で示した一曲であり、そこにヒットメーカーとしての実績を積み重ねてきたBruno Marsが加わったことで、楽曲は一気に普遍的なポップソングへと昇華された。韓国発のカードゲームに由来するとされる掛け声めいたフレーズを軸に据えた構成は、言語の壁を軽々と越え、SNSでのダンスや空耳的な口ずさみやすさも相まって、瞬く間に世界中のプレイリストとチャートに浸透していった。年をまたいでのTOKIO HOT 100首位獲得は、まさにこの曲が持つ普遍的な求心力を象徴していると言えるだろう。
この時期の音楽シーンを振り返ると、K-POP出身アーティストのソロワークが欧米のポップメインストリームと自然に接続する流れが、いよいよ既定路線として定着しつつあった。ジャンルやマーケットの垣根を意識させない作りは、リスナー側の耳の変化とも呼応している。TOP10には同じくROSEの「TOXIC TILL THE END」もランクインしており、一つのアーティストが複数の楽曲で同時にリスナーの支持を集めるという、ストリーミング時代らしい聴かれ方も見て取れる。
一方で、この週のチャートは日本の音楽シーンの層の厚さも感じさせるものだった。友成空の「ACTOR」やNATSUDAIDAIの「スイマー」、TENDREの「HAPPY END」といった楽曲が上位に並び、国内シーンから生まれる繊細でパーソナルな表現が、海外発の大型ヒットと同じテーブルの上で聴かれていたことがわかる。Creepy Nutsは「BLING-BANG-BANG-BORN」と「オトノケ」の2曲同時ランクインという結果を残しており、ラップとポップスの境界を軽やかに越境するスタイルが、幅広いリスナー層に支持され続けていたことをうかがわせる。SAYA GRAYやNULBARICHのようなオルタナティブR&B寄りの音楽性が同居していた点も、この時期のリスナーの嗜好がジャンル横断的だったことの表れだろう。
BILLIE EILISHの「BIRDS OF A FEATHER」がロングランで支持を集めていたことも見逃せない。囁くようなボーカルと親密な音像は、彼女がキャリアを通じて築いてきた独自の作家性の到達点のひとつであり、世代を超えて愛される普遍性を持っていた。こうした楽曲が「APT.」のようなパーティーチューンと並び立っていたことは、2025年初頭のリスナーが多様な感情の振れ幅を一枚のプレイリストの中で楽しんでいたことを示している。
「APT.」が体現していたのは、遊び心のあるフックと洗練されたポップスのクラフトマンシップの融合だった。難しい理屈を抜きにして口ずさめる強さは、時代や国境を問わず愛される楽曲に共通する条件であり、この曲がその条件を満たしていたからこそ、新年最初のTOKIO HOT 100の頂点に立ったのだろう。振り返れば、この週のTOP10は、グローバルなポップミュージックの潮流と、日本独自の音楽シーンの成熟が同じ地平で交差していた瞬間を切り取ったものとして、当時の空気を鮮やかに伝えてくれる。
2025年1月5日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 APT. — ROSE & BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 ACTOR — 友成 空 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 SHELL(OF A MAN) — SAYA GRAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 スイマー — NATSUDAIDAI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 HAPPY END — TENDRE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 BIRDS OF A FEATHER — BILLIE EILISH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 BLING-BANG-BANG-BORN — CREEPY NUTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 オトノケ — CREEPY NUTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 BELIEVE IT — NULBARICH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 TOXIC TILL THE END — ROSE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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