1999年10月17日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1999年10月17日放送回)。
この週の音楽シーン
1999年10月17日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはエリック・クラプトンの「BLUE EYES BLUE」だった。90年代のクラプトンといえば、息子コナーへの追悼として世界的なヒットとなった「Tears In Heaven」以降、円熟した大人のロック・ポップスを聴かせるアーティストという印象が強くなっていた時期。この曲もまた、ブルースを基調にしながらも耳あたりの良いメロディが前面に出た作品で、深夜のドライブや静かな夜に似合うムードを湛えていた。90年代終盤、CDバブルの余韻が残る一方でミレニアムを目前に控えた世相の中、ベテランの落ち着いた表現が支持されていたことがうかがえる順位だ。
TOP10全体を眺めても、この週は「大人のロック・ポップス」が色濃く並んでいるのが印象的だ。2位のスティングは、ポリス解散後もソロで独自の音楽世界を築き続けたアーティストの代表格。3位のデヴィッド・ボウイは、90年代に入ってからも実験精神を失わず、常に音楽シーンの先端を模索し続けていた存在感が光る。4位のエヴリシング・バット・ザ・ガールは、トリップホップやドラムンベースの要素を取り入れたサウンドで90年代後半のUKクラブミュージックシーンとポップスの橋渡し役を担っていたユニットだ。
5位のスティーヴィー・ワンダーは説明不要のソウル/R&Bの巨人であり、その存在がこの週のチャートに厚みを加えている。6位のメアリー・J・ブライジは、90年代のヒップホップ・ソウルを牽引したシンガーとして、7位のペット・ショップ・ボーイズは英国発のエレクトロポップの旗手として、それぞれジャンルを代表する存在だった。8位のポーラ・コール・バンドは、90年代後半のシンガーソングライター・ムーブメントの中で独自の存在感を放っていたアーティストである。
9位にはマライア・キャリーの「HEARTBREAKER」。90年代を代表するディーヴァが、ヒップホップ的なアプローチを取り入れながら新しい表現を模索していた時期の楽曲で、当時のR&B/ポップスのクロスオーバー傾向をよく映し出している。そして10位にはザ・ビートルズの「HEY BULLDOG」。90年代後半は『Anthology』シリーズのヒットもあって、往年の名曲が改めてラジオで取り上げられる機会が増えていた時代でもあった。世代を超えて色褪せない楽曲が、最新のヒット曲と並んで語られること自体が、当時のTOKIO HOT 100というチャートの懐の深さを物語っている。
1999年秋というこのタイミングは、CDセールスがピークを迎えつつも、インターネットや音楽配信の萌芽が徐々に業界に影響を及ぼし始めていた過渡期でもあった。そんな中で、ベテランアーティストたちがしっかりと存在感を示していたこの週のチャートは、単なる新譜ヒットの集積ではなく、90年代という時代が積み重ねてきた音楽的な蓄積そのものを反映していたと言えるだろう。クラプトンの落ち着いた歌声が1位に立っていたことは、その象徴的な一場面だったのかもしれない。
1999年10月17日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 BLUE EYES BLUE — ERIC CLAPTON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 BRAND NEW DAY — STING ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 THE PRETTY THINGS ARE GOING TO HELL — DAVID BOWIE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 FIVE FATHOMS — EVERYTHING BUT THE GIRL ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 TO FEEL THE FIRE — STEVIE WONDER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 ALL THAT I CAN SAY — MARY J. BLIGE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 NEW YORK CITY BOY — PET SHOP BOYS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 I BELIEVE IN LOVE — PAULA COLE BAND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 HEARTBREAKER — MARIAH CAREY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 HEY BULLDOG — THE BEATLES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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