TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1998年6月21日放送)

TOKIO HOT 100 1998-06-21 放送回ランキング ランキング

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1998年6月21日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1998年6月21日放送回)。

この週の音楽シーン

1998年6月21日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはTHE SMASHING PUMPKINSの「AVA ADORE」だった。前作アルバム『メロン・コリー・アンド・ジ・インフィニット・サッドネス』で壮大なロック絵巻を描き切ったバンドが、次のアルバム『アドア』で見せたのは打って変わってエレクトロニックかつゴシックな質感のサウンドだった。ギターロックの文脈で語られがちだったビリー・コーガンが、ドラムマシンやシンセサイザーを大胆に取り入れ、退廃的で耽美な雰囲気を纏った「AVA ADORE」を看板曲に据えたことは、90年代後半のロックシーンが抱えていた変化への意欲を象徴する出来事だったと言える。グランジ以降のオルタナティブ・ロックが一つの成熟期を迎え、次の表現を模索していた時期に、このナンバーが1位を獲得したことは興味深い。 この週のチャートを見渡すと、ジャンルの多様性が際立つ。2位のJAMIROQUAIによる「DEEPER UNDERGROUND」は映画『ゴジラ』のサウンドトラックに提供された楽曲で、レニー・クラヴィッツが3位に「BLACK VELVETEEN」でランクインしているのも象徴的だ。ロックとファンク、ソウルを横断するアーティストたちが同じ週に肩を並べている点に、当時のクロスオーバー感覚が表れている。4位にはグロリア・エステファンが「HEAVEN’S WHAT I FEEL」でエントリーし、ラテン色を帯びたポップスも存在感を放っていた。9位のリッキー・マーティン「THE CUP OF LIVE」は同年のサッカーワールドカップ・フランス大会のテーマ曲として世界的に浸透しており、ラテン・ポップ・ブームが本格化する前夜の熱気を感じさせる。 8位のBRANDY AND MONICAによる「THE BOY IS MINE」は、当時のR&Bシーンを象徴する一曲で、二大女性シンガーの共演というトピック性も含め、90年代後半のヒップホップ・ソウルの隆盛を物語っている。10位のマドンナ「RAY OF LIGHT」は、彼女がエレクトロニカやアンビエントの要素を大胆に導入し、アーティストとしての再生を印象づけたアルバムからのタイトルトラックであり、ベテランが新しいサウンドに挑む姿勢を見せていた点で「AVA ADORE」とも通じる空気がある。 こうして見渡すと、この週のTOP10は、ロックがエレクトロニックな質感を取り込み、R&Bやラテン、ダンスミュージックが同時多発的に存在感を放つという、90年代末特有の音楽的な過渡期を凝縮している。ジャンルの境界が緩やかに溶け始めていた時代、その最前線に「AVA ADORE」という一曲が立っていたことは、単なる偶然ではなく、時代の耳が求めていた変化そのものだったのかもしれない。ラジオから流れてきたであろうこの多様な10曲を思い浮かべると、1998年6月という一週間の空気が、今も鮮やかに立ち上がってくる。

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1998年6月21日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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