1997年12月28日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1997年12月28日放送回)。
この週の音楽シーン
1997年も暮れゆく12月28日、J-WAVE「TOKIO HOT 100」の首位に輝いたのは、BABYFACE feat. ERIC CLAPTONの「CHANGE THE WORLD」だった。R&B/ポップス界屈指のヒットメイカーであるベイビーフェイスが手掛け、ロック界の生けるレジェンド、エリック・クラプトンがギターとボーカルで参加するという、ジャンルの垣根を超えた顔合わせが話題を呼んだ楽曲である。ジョン・トラボルタ主演の映画『フェノメナン』の主題歌として広く知られ、映画のヒットとともに世界的な支持を獲得し、グラミー賞でも複数部門を受賞するなど、90年代を代表するバラードの一つとして記憶されている。派手さよりも丁寧な旋律運びと、クラプトンの抑制の効いたギタープレイが響き合う作りは、当時のチャートにおいてひときわ落ち着いた存在感を放っていた。
この週のTOP10を見渡すと、90年代後半という時代の空気が色濃く反映されている。2位にはジャネット・ジャクソンの「TOGETHER AGAIN」がランクインし、ダンスミュージックとR&Bが融合したサウンドで存在感を示した。3位のエンヤ「ONLY IF」は幻想的で内省的なサウンドスケープを持ち味とし、当時のヒーリング/アンビエント志向のリスナーにも支持されていた。4位にはセリーヌ・ディオンの「BE THE MAN」がランクインし、力強いバラード歌手としての地位を確立していた時期の一曲として並んでいる。
5位のチャンバワンバ「TUBTHUMPING」は、イギリス発のアナーキックな高揚感を持つナンバーで、当時のオルタナティブ〜ポップシーンに一石を投じた存在だった。6位の「EVERY NATION」を手掛けたRED HOT R+B ALL STARSは、複数のR&Bアーティストが集結する企画性の強いプロジェクトで、90年代らしいオールスター感覚のヒットの一例といえる。7位にはスパイス・ガールズの「SPICE UP YOUR LIFE」がランクインしており、ガールズグループ旋風が世界を席巻していた時期の勢いを物語っている。
8位のウィル・スミス「GETTIN’ JIGGY WIT IT」は、映画俳優としても人気絶頂だった彼が、ヒップホップとポップスを軽やかに融合させたスタイルで存在感を放っていた楽曲だ。9位のエアロスミス「PINK」は、ベテランロックバンドが新しいサウンドプロダクションを取り入れながらも独自の個性を保ち続けていたことを示している。そして10位のディープ・フォレストによる「MADAZULU」は、ワールドミュージックの要素とエレクトロニカを組み合わせた独自の音世界で、90年代の音楽的多様性を象徴する存在だった。
こうして並べてみると、この週のTOP10はR&B、ロック、ダンス、ヒーリング、ガールズポップ、ヒップホップ、ワールドミュージックと、実に多彩なジャンルが同居していたことがわかる。年の瀬という節目の放送回にふさわしく、90年代後半の音楽シーンの豊かさと自由さが凝縮された一週間だったと言えるだろう。その頂点に立ったのが、ジャンルを超えたコラボレーションによる静かな説得力を持つ「CHANGE THE WORLD」であったことは、当時のリスナーが単なる流行だけでなく、音楽的な深みや対話性を求めていたことの表れでもあるのかもしれない。ベイビーフェイスの繊細なソングライティングと、クラプトンの円熟したギターワークが融合したこの一曲は、四半世紀近く経った今もなお、色褪せない輝きを放ち続けている。
1997年12月28日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 CHANGE THE WORLD — BABYFACE FEAT. ERIC CLAPTON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 TOGETHER AGAIN — JANET JACKSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 ONLY IF — ENYA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 BE THE MAN — CELINE DION ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 TUBTHUMPING — CHUMBAWAMBA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 EVERY NATION — RED HOT R+B ALL STARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 SPICE UP YOUR LIFE — SPICE GIRLS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 GETTIN’ JIGGY WIT IT — WILL SMITH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 PINK — AEROSMITH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 MADAZULU — DEEP FOREST ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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