TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1993年12月19日放送)

TOKIO HOT 100 1993-12-19 放送回ランキング ランキング

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1993年12月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1993年12月19日放送回)。

この週の音楽シーン

1993年も暮れようとしていた12月19日、「TOKIO HOT 100」の頂点に立っていたのはACE OF BASEの「ALL THAT SHE WANTS」だった。スウェーデン出身の4人組が放ったこの曲は、レゲエやダンスホールの跳ねるビートをポップに解体し、シンセの音色とコーラスワークで包み込んだような一曲で、ヨーロッパから世界へと広がっていったユーロダンス/ユーロポップの潮流を象徴する存在だったといえる。90年代前半は、アメリカのR&B・ヒップホップ的なグルーヴと、ヨーロッパ発のシンセポップ的な質感が同じチャートの中で並び立つ、非常にバランスの取れた時代であり、この週のTOP10もまさにそうした空気を体現していた。

2位のINCOGNITOはアシッド・ジャズ、ブロークンビーツの系譜を汲むUKのバンドで、「GIVIN’ IT UP」はブラックミュージックのグルーヴを都会的に洗練させたサウンドが持ち味。3位のLISA STANSFIELDや9位のJODY WATLEYも、ソウルフルなボーカルとダンサブルなアレンジを両立させたアーティストであり、この時期のヒットチャートには、いわゆる「クラブ・ミュージック」と「ポップス」が滑らかに地続きになっていた感触がある。4位には、ELTON JOHNとKIKI DEEという70年代からのデュオ復活曲「TRUE LOVE」が入り、ベテランの存在感も示している。

5位には渡辺貞夫がVANESSE THOMASをフィーチャリングした「THIS HEART BELONGS TO YOU」がランクインしているのも見逃せない。日本を代表するジャズサックス奏者が、洋楽と地続きの国際的なポップス/フュージョンのフィールドで存在感を放っていたことは、当時のJ-WAVEのようなFM局が持っていた、洋楽と邦楽の境界を意識させない選曲感覚をよく表している。6位のPHIL COLLINSは、GENESIS出身のソロアーティストとして80年代から続く安定した人気を保ち続けていたし、8位のTEVIN CAMPBELLのような若手R&Bシンガーも並ぶことで、世代や出自の異なるアーティストたちが同じテーブルに着いているのがこの週の面白さだ。

そして10位に食い込んでいるGUNS N’ ROSESの「AIN’T IT FUN」は、ハードロック/グランジ以降のロックサウンドがまだチャートの一角にしっかりと居場所を持っていたことの証でもある。ダンスミュージックやソウル、AOR的なポップスと並んで骨太なロックナンバーが顔を出す、このジャンルの混在ぶりこそが90年代前半の洋楽チャートの醍醐味だったのではないか。

ACE OF BASEの世界的ブレイクは、その後のユーロダンス・ブームの先触れとなり、90年代半ばのポップミュージックのサウンドスケープに大きな影響を与えていく。この週のTOP10を眺めていると、ソウル、ジャズ、ロック、ユーロポップという異なる出自の音楽が、まだジャンルの垣根を越えて同じ土俵で聴かれていた時代の豊かさを、あらためて感じさせてくれる。

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1993年12月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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