TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年8月12日放送)

TOKIO HOT 100 1990-08-12 放送回ランキング ランキング

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1990年8月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年8月12日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年8月12日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、この週の首位に輝いたのはアニタ・ベイカーの「TALK TO ME」でした。アニタ・ベイカーといえば、ジャズの香りを漂わせた深みのあるアルトヴォイスで知られるシンガーで、80年代から「クワイエット・ストーム」と呼ばれる、静かで大人びたR&Bのムードを体現してきたアーティストです。「TALK TO ME」もまた、派手さよりも情感の機微を大切にした一曲で、夏の夜にラジオから流れてくると、それだけで空気がすっと落ち着くような、そんな包容力を持った音楽だったのではないでしょうか。当時のアメリカのR&Bシーンは、ニュージャックスウィングのビートが台頭しつつも、アニタ・ベイカーのような正統派のソウルフルな歌唱がまだ強い存在感を放っていた時期でもあり、この週のチャートにその両方が同居しているのが興味深いところです。 実際、2位にはザ・タイムの「JERK OUT」、9位にはキース・スウェットの「MAKE YOU SWEAT」がランクインしており、プリンス・ファミリーの流れを汲むファンクネスや、ニュージャックスウィングの弾むようなグルーヴも同時に鳴り響いていました。さらに5位にはM.C.ハマーの「U CAN’T TOUCH THIS」がランクイン。この曲はまさに1990年最大級のヒットとなり、ヒップホップがポップミュージックの中心に躍り出る大きな転換点を象徴する存在でした。ダンサブルなビートとキャッチーなフックは、その後の音楽シーン全体に大きな影響を与えたことで知られています。 一方でロック方面にも目を向けると、4位にビリー・アイドル、6位にチープ・トリックという、80年代から活躍してきたベテランたちの名前が並びます。パンク上がりのアティチュードを持ちながらポップな輝きも忘れないビリー・アイドル、そして永遠のパワーポップバンドとして愛されるチープ・トリック。彼らが90年代に入ってもなお第一線でヒットを飛ばしていたことは、当時のロックシーンの層の厚さを物語っています。 また7位のロクセットは、スウェーデン出身ながら英語詞のポップロックで世界的な成功を収めたグループで、「IT MUST HAVE BEEN LOVE」は映画「プリティ・ウーマン」の挿入歌としても広く知られ、切なく壮大なバラードとして今も語り継がれています。10位にはウィルソン・フィリップスが登場。ビーチ・ボーイズとママス&パパスという名門の血を引く3人組で、透明感のあるハーモニーが持ち味でした。 こうして見渡すと、この週のTOP10は、伝統的なソウル・ロックの成熟と、ヒップホップ/ニュージャックスウィングという新しい波が交差する、まさに90年代の幕開けにふさわしい多様性を見せていたと言えるでしょう。アニタ・ベイカーの落ち着いた歌声が首位に立っていたことは、時代が大きく動き出す直前の、ひとつの静かな均衡を象徴していたのかもしれません。

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1990年8月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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