2024年4月28日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2024年4月28日放送回)。
この週の音楽シーン
2024年4月28日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、小沢健二とスチャダラパーによる「ぶぎ・ばく・べいびー」だった。ふたつのグループの名がそろえば、多くのリスナーがまず思い浮かべるのは90年代を代表するコラボレーションだろう。あの時代の空気を知る世代にとっても、後追いで聴いてきた世代にとっても、再びこの顔合わせで新たな一曲が生まれたこと自体が、この週いちばんの事件だったと言っていい。軽やかなラップとメロディが交差する感覚は、時を経てもなお色褪せない懐の深さを感じさせるもので、単なる「かつての再現」ではなく、現在進行形の音楽として鳴っていたのが印象的だ。
2位には米津玄師「さよーならまたいつか!」がランクイン。NHK連続テレビ小説の主題歌として広く親しまれた曲で、朝の茶の間から夜のラジオまで生活のさまざまな場面に溶け込んでいた一曲だ。3位のVAMPIRE WEEKENDは、インディーロックの文脈を保ちながらも普遍的なポップネスを持つバンドとして長く支持されてきた存在で、「CLASSICAL」はそのバランス感覚の確かさを改めて示していた。
この週で特に象徴的だったのは、4位のILLIT「MAGNETIC」だろう。K-POPシーンから登場した新しい世代のガールズグループが、日本の洋楽・邦楽混在チャートの上位に食い込んでくる現象は、2024年前後のポップミュージックの国境の溶け方を端的に表している。TikTokをはじめとするショート動画文化が世界同時多発的にヒットを生み出す構造は、6位のROSA LINN「UNIVERSE」にも通じるところがある。ユーロビジョン発の楽曲がSNSを介して世界中に広がっていった経緯は、もはやチャートが一国の放送やセールスだけで動く時代ではないことを物語っていた。
一方で5位には宇多田ヒカルの「TRAVELING (Re-Recording)」。00年代初頭に発表されたオリジナルを新たな響きで蘇らせたこの再録は、ベテランアーティストが自身の名曲を現在の耳に合わせて再定義する試みとして興味深い位置づけにあった。7位の藤井風「満ちてゆく」は、国内外問わず独自の音楽性で評価を高めていた最中の楽曲で、日本語詞と洋楽的なグルーヴを両立させる歌声が支持を集めていた。
洋楽勢では8位にBEYONCEの「TEXAS HOLD ‘EM」。カントリーというジャンルに越境しながらも自身のルーツを織り込んだこの曲は、2024年のポップシーンにおける大きな話題のひとつであり、ジャンルの垣根を軽々と越えていくアーティストの存在感を改めて示すものだった。9位のREMI WOLFは、カラフルでユーモラスな作風が独自のファン層を築いていたシンガーソングライターで、「CINDERELLA」もその個性がにじむ一曲だった。
そして10位には日本のバンドBREIMENの「ラブコメディ」。ジャンルレスな演奏力とポップセンスを併せ持つグループとして、国内シーンで着実に評価を積み重ねてきた存在だ。こうして並べてみると、この週のTOP10は90年代日本語ラップの再会から、K-POPの新世代、ユーロビジョン発のバイラルヒット、そして世界的スターの越境まで、実に多層的な音楽地図を描き出していたことがわかる。ひとつの番組表の中に、時代も国境もジャンルも軽やかに横断する曲が同居していたこと自体が、この週のTOKIO HOT 100のいちばんの聴きどころだったのではないだろうか。
2024年4月28日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 ぶぎ・ばく・べいびー — 小沢健二とスチャダラパー ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 さよーならまたいつか! — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 CLASSICAL — VAMPIRE WEEKEND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 MAGNETIC — ILLIT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 TRAVELING (RE-RECORDING) — 宇多田 ヒカル ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 UNIVERSE — ROSA LINN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 満ちてゆく — 藤井 風 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 TEXAS HOLD ‘EM — BEYONCE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 CINDERELLA — REMI WOLF ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 ラブコメディ — BREIMEN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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