TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2023年11月19日放送)

TOKIO HOT 100 2023-11-19 放送回ランキング ランキング

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2023年11月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2023年11月19日放送回)。

この週の音楽シーン

2023年11月19日放送回の「TOKIO HOT 100」で首位に立ったのは、藤井風の「花」だった。岡山出身のシンガーソングライターとして独自の存在感を放ってきた藤井風は、この年に至るまで邦楽シーンの中で唯一無二の立ち位置を築いてきたアーティストだ。ジャズやゴスペル、ヒップホップの語法をポップスに溶け込ませる作曲センスと、関西弁も交えた飄々とした歌詞世界、そして達観したようでいてどこか温かい人柄が滲むパフォーマンスは、国内外問わず幅広いリスナーに届いていた。「花」はそうした藤井風らしさが凝縮された一曲であり、シンプルなピアノの旋律に乗せて生と死、移ろいゆく季節や人の心を静かに見つめる歌詞世界が、聴く者の心にじんわりと染み渡る楽曲だった。派手さよりも余白を大切にする作風は、情報過多な時代における一種の解毒剤のようにも機能していたのではないだろうか。

この週のチャートを見渡すと、実に多層的な音楽シーンの断面が浮かび上がってくる。2位にはBTSのジョングクによるソロ曲「STANDING NEXT TO YOU」がランクイン。グループとしての活動と並行して、メンバー個々のソロ活動がグローバルに展開されていた時期であり、K-POPというジャンルの成熟と多様化を象徴する存在だった。3位のCharli XCXとSam Smithによる「IN THE CITY」、4位のMarshmello・P!nk・Stingという世代もジャンルも異なるアーティストの共演による「DREAMING」など、洋楽サイドでもコラボレーションを軸にした楽曲が上位に並んでいたことは興味深い。

そして何より特筆すべきは5位に入ったザ・ビートルズの「NOW AND THEN」だろう。ジョン・レノンが遺したデモテープを基に、AI技術を用いて音声を分離・抽出し、残された3人のメンバーの演奏を加えて完成させたこの楽曲は、「ビートルズ最後の新曲」として世界中で大きな話題を呼んだ。半世紀以上前の音源が最新のテクノロジーによって蘇り、2023年という時代のチャートに新曲として名を連ねる――この事実そのものが、音楽と技術、そして時間の流れについて多くのことを考えさせる出来事だった。

邦楽勢では6位にAdoの「唱」がランクイン。圧倒的な歌唱力とキャラクターの匿名性を武器に、既存のアイドル像やシンガー像を更新し続けてきたAdoの存在感は、この頃すでに揺るぎないものになっていた。7位のさらさ「FEEL DOWN」、9位のLE SSERAFIM「PERFECT NIGHT」、10位のBE:FIRST「GLORIOUS」と、若い世代のアーティストたちがそれぞれの個性でチャートに食い込んでいる様子からも、シーンの新陳代謝の速さがうかがえる。BE:FIRSTはこの頃、グローバル展開も視野に入れながら日本発のボーイズグループとして着実に存在感を高めていた時期であり、LE SSERAFIMもまたガールズグループの新しい在り方を提示する存在として注目を集めていた。

このように振り返ってみると、2023年11月というひとつの週の中に、伝説的ロックバンドの「新曲」という奇跡的な出来事と、K-POP・邦楽・洋楽それぞれの最前線が同居していたことがわかる。藤井風の「花」が首位に輝いたという事実は、派手な演出やトレンドに頼らずとも、静かで誠実な音楽が多くの人の心を掴み得るということを改めて示していたように思う。時代がどれだけ目まぐるしく動いても、丁寧に紡がれた音楽は色褪せない。このチャートはそんな当たり前でいて忘れがちな真実を、今も静かに教えてくれる。

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2023年11月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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