TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2023年7月16日放送)

TOKIO HOT 100 2023-07-16 放送回ランキング ランキング

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2023年7月16日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2023年7月16日放送回)。

この週の音楽シーン

2023年7月16日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、BECKとPHOENIXが手を組んだ「ODYSSEY」だった。米国オルタナティブ・ロックの生き証人ともいえるBECKと、フランス発のバンドとして洗練されたポップ・センスを磨き続けてきたPHOENIX。ジャンルも国籍も違う両者が同じ曲の中で共存していること自体が、この時代の音楽シーンを象徴しているように思う。ストリーミングが当たり前になり、リスナーの耳がジャンルの垣根を意識しなくなった時代において、こうした国境を越えたコラボレーションは特別な事件ではなく、むしろ自然な流れとして受け止められていた。1位というポジションに、実験精神と大衆性を両立させる楽曲が座ったことは、当時のTOKIO HOT 100が持っていたリスナー層の耳の広さを物語っている。

TOP10全体を見渡すと、この週は洋楽・邦楽が入り乱れる非常にバランスの取れたチャートだった。2位には佐藤千亜妃と幾田りらが共演した「線香花火」がランクイン。日本語詞の繊細な情景描写と、二人のボーカリストの声の重なりが夏の空気とよく合っていた時期でもある。3位のCoccoによる「ファンタジー」は、長いキャリアを持つアーティストが今なお新しいリスナーに届く楽曲を作り続けている証だった。 一方で海外勢に目を向けると、4位のPinkPantheressによる「ANGEL」は、UKのベッドルームポップ/ジャングル・リバイバルの流れを汲む才能が世界的に注目されていたことを示している。5位のDua Lipaの「DANCE THE NIGHT」は、この年の夏に公開された話題作の劇伴として制作された楽曲で、ディスコ・サウンドを現代的に鳴らし直したことで世界中のダンスフロアを賑わせていた。6位のJon Batisteの「CALLING YOUR NAME」は、ジャズ・ピアニストとしてのバックグラウンドを持つ彼らしい温かみのあるナンバーだった。

邦楽勢では7位に水曜日のカンパネラの「マーメイド」がランクイン。コムアイ脱退後の新体制でも独自の世界観を貫くグループの姿勢が伺える一曲だ。8位のThe Weeknd、Playboi Carti、Madonnaによる「POPULAR」は、この時期話題を集めていたHBOのドラマ作品のサウンドトラックとして制作された楽曲で、世代の異なる三者が同じトラックの上で交錯する構図自体が話題性を持っていた。Madonnaの参加は、ポップミュージックの歴史そのものが現在進行形の若い才能と接続される瞬間として印象に残る。9位のHARUYによる「SENA」は、国内のR&B/ヒップホップシーンから出てきたフレッシュな存在として耳を引いた。10位にはくるりの「IN YOUR LIFE」がランクイン。長年にわたり音楽性を更新し続けてきたバンドの現在地を示す楽曲だった。

こうして振り返ると、2023年7月半ばのこの週は、ベテランと新鋭、邦楽と洋楽、実験性とポップネスが絶妙に混在した一週間だったことがわかる。ストリーミング時代のチャートは、もはや単一の物語では語れない。BECKとPHOENIXの「ODYSSEY」が1位を飾ったこと自体が、そうした多層的な音楽の楽しみ方を体現していたのではないだろうか。夏本番を迎えるこの時期、ラジオから流れてくる音楽の振れ幅の広さに、当時多くのリスナーが心地よさを感じていたはずだ。

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2023年7月16日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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