2020年9月6日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2020年9月6日放送回)。
この週の音楽シーン
2020年9月6日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、BTSの「Dynamite」だった。同曲は同年8月21日にリリースされ、韓国のグループとして初めて全編英語詞で制作された楽曲として大きな話題を呼んだ。ディスコやファンクを下敷きにした煌びやかなアレンジは、コロナ禍で先の見えない閉塞感が世界を覆っていた2020年において、ダンスフロアの高揚感を思い出させてくれるような一曲だった。日本の音楽ファンの間でも、ノーナ・リーヴスの西寺郷太が作詞に関わったことは早くから知られており、渋谷系以降のシティポップ的な感覚と現代のK-POPの制作体制が交差する象徴的な出来事としても語られた。世界的なヒットチャートでも上位を賑わせていたタイミングであり、この週の放送はまさにその熱量がリアルタイムで日本の電波にも届いていたことを物語っている。
2位には米津玄師の「感電」がランクイン。TBS系ドラマ「MIU404」の主題歌として書き下ろされたこの曲は、ファンクとロックの要素を大胆に取り入れ、米津玄師のキャリアの中でも異色のグルーヴ感を持つ作品として評価された。3位のKATY PERRYの「Smile」は、彼女自身のアルバム表題曲であり、母となった彼女がパーソナルな心境を綴った一曲として、これまでのポップアイコンとしての姿から一歩踏み込んだ表現を見せていた。
4位のOSCAR JEROMEはUKの若手ギタリスト/シンガーで、ジャズやソウルの語法を現代的なビートに落とし込むスタイルが評価されていたアーティストだ。5位のBILLIE EILISHの「my future」は、パンデミックさなかの2020年に発表された楽曲で、不確かな現在よりも自分自身の未来を見つめるという内省的なメッセージが、当時の世界の空気感と重なり多くの共感を呼んだ。ミニマルなプロダクションの中にポジティブな変化の兆しを感じさせる構成も印象的だった。
6位のみゆなとクボタカイによる「あのねこの話」は、SNS世代のリスナーに支持される歌い手同士のコラボレーションとして注目された楽曲。7位のKLLOはオーストラリア出身のエレクトロニック・デュオで、繊細でアンビエントな音響処理が持ち味だ。8位のあいみょんの「朝陽」は、彼女らしい率直な歌詞世界と伸びやかなメロディが同居する楽曲で、邦楽シーンにおける安定した存在感を改めて示していた。9位のHIMIは日本の新世代シンガーとして注目を集めていたアーティストであり、10位のCalvin HarrisとThe Weekndによる「Over Now」は、両者の過去のコラボレーションからの流れを汲むダンスミュージックとして、洋楽リスナーの耳を捉えていた。
このように振り返ると、2020年9月上旬というタイミングは、K-POPの世界的なブレイクスルーと、日本の実力派アーティストたちの新曲、そして海外のポップ・エレクトロニックシーンの動向が同時多発的に交差していた週だったことがわかる。とりわけBTSの「Dynamite」が持っていた開放的なエネルギーは、外出もままならない日々を過ごしていた当時のリスナーにとって、束の間の解放感を与えてくれる存在だったのではないだろうか。ジャンルも国境も越えて並ぶこのTOP10は、あの年の音楽シーンの多様性と同時代性を凝縮した貴重な記録として、今も色褪せることなく当時の空気を伝えてくれる。
2020年9月6日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 DYNAMITE — BTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 感電 — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 SMILE — KATY PERRY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 GIVE BACK WHAT U STOLE FROM ME — OSCAR JEROME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 MY FUTURE — BILLIE EILISH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 あのねこの話 — みゆな FEAT. クボタカイ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 STILL HERE — KLLO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 朝陽 — あいみょん ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 BABY — HIMI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 OVER NOW — CALVIN HARRIS, THE WEEKND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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