TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年7月30日放送)

TOKIO HOT 100 1989-07-30 放送回ランキング ランキング

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1989年7月30日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年7月30日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年7月30日のTOKIO HOT 100、その頂点に立ったのはPRINCEの「BATDANCE」だった。この曲を語るうえで欠かせないのが、同年公開されたティム・バートン監督の映画『バットマン』の存在だ。ジャック・ニコルソンがジョーカーを演じ、マイケル・キートンがブルース・ウェインに扮したこの作品は、ダークで耽美なトーンによってヒーロー映画の常識を塗り替えたが、その世界観をサウンドトラックとして音に変換したのがPRINCEだった。「BATDANCE」は劇中のセリフや効果音的なフレーズをコラージュのように織り込みながら、ファンク、ロック、ダンスビートを縦横無尽に融合させる実験的な一曲で、単なる映画のタイアップ曲という枠を超えた作家性がにじみ出ている。80年代を通じてポップの文法そのものを更新し続けてきたPRINCEらしい、遊び心と革新性が同居したナンバーだったといえるだろう。

この週のチャートを見渡すと、80年代終盤ならではの多彩さが際立つ。2位のBOBBY BROWNは、ニュージャックスウィングという新しいグルーヴを牽引した存在であり、「ON OUR OWN」は同じく『ゴーストバスターズ2』のサウンドトラック曲としても知られる。3位のMADONNA「EXPRESS YOURSELF」は、自己解放と女性のエンパワーメントを高らかに歌い上げ、後年のポップアイコンたちにも大きな影響を残した名曲だ。4位にはJODY WATLEYがヒップホップのパイオニアであるERIC B & RAKIMと共演した「FRIENDS」がランクインしており、R&Bとヒップホップが接近していく時代の空気を感じさせる。

7位のMILLI VANILLIによる「BABY DON’T FORGET MY NUMBER」も、この時代を象徴する一曲だ。ダンサブルなユーロポップサウンドで世界的にヒットを飛ばした彼らは、後にスキャンダルによって歴史に別の意味で名を刻むことになるが、この時点では紛れもなくヒットチャートの寵児だった。一方で8位のRICHARD MARXや10位のSIMPLY RED「IF YOU DON’T KNOW ME BY NOW」のように、しっとりとしたバラードやソウルフルなカバーが並ぶのも興味深い。ダンスミュージックの隆盛と、王道のメロディアスな楽曲が併存していたのが、この時代のチャートの豊かさだった。

5位のMARTIKA「TOY SOLDIERS」は、シンプルながら切実なメロディで多くのリスナーの心を掴んだナンバーであり、6位のFINE YOUNG CANNIBALSはこの年、ソウルフルな歌声とモダンなアレンジを武器に飛躍を遂げたバンドだった。9位のNATALIE COLEは名門コール一族の系譜を感じさせる歌唱力で存在感を示している。

こうして並べてみると、この週のTOP10はダンスミュージック、ニュージャックスウィング、AOR的バラード、ソウル、そして映画音楽までが等しく共存する、80年代末らしい多層的な風景を描き出している。その頂点にPRINCEという、ジャンルを軽々と越境するアーティストが君臨していたことは、この時代のポップミュージックが持っていた実験精神と娯楽性の高さを象徴しているように思える。

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1989年7月30日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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