TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2009年7月12日放送)

TOKIO HOT 100 2009-07-12 放送回ランキング ランキング

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2009年7月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2009年7月12日放送回)。

この週の音楽シーン

2009年7月12日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのは木村カエラの「BUTTERFLY」だった。当時の木村カエラは、モデル出身のポップアイコンという枠を超え、バンドサウンドと歌謡曲的なメロディを自在に行き来するアーティストとして存在感を強めていた時期。「BUTTERFLY」はコスメブランドのCMソングとして茶の間にも浸透し、夏の訪れを告げるようなキラキラした高揚感が印象的な一曲だった。歌詞の引用は控えるが、開放的なサビの伸びやかさと、彼女特有の少し舌足らずな歌唱の温度感が同居しているところに、この曲ならではの魅力があったと言える。ラジオという媒体で聴くと、イントロのギターの鳴りやコーラスワークの厚みがより際立ち、ドライブや通勤の時間帯にぴったりハマる仕上がりだったことも、多くのリスナーの耳に残った理由だろう。

この週のTOP10を見渡すと、2009年という年の音楽シーンの多層性が浮かび上がってくる。2位にはブラック・アイド・ピーズの「I GOTTA FEELING」がランクイン。世界的にダンスミュージックが再びメインストリームに躍り出た時期であり、レディー・ガガの「POKER FACE」が6位に入っていることからも、エレクトロ・ポップの波が日本のリスナーにも確実に届いていたことがわかる。この二曲は、後にクラブやパーティーシーンの定番となるほどのインパクトを持っていたが、この週の時点ではまだ新鮮なグルーヴとして受け止められていたはずだ。

一方で邦楽勢のラインナップも実に豊かだ。椎名林檎の「旬」が4位に、スガシカオの「PARTY PEOPLE」が8位に、絢香の「みんな空の下」が9位に並び、SUPERFLYの「恋する瞳は美しい」が7位に食い込んでいる。ロック、ソウル、シンガーソングライター的な歌もの、それぞれ異なるベクトルを持つアーティストたちが同じチャートの中で拮抗していたことは、当時の邦楽シーンの懐の深さを物語っている。椎名林檎はソロ活動と並行してバンド活動でも独自の世界観を提示し続けていた時期であり、「旬」はそうした彼女の実験精神と大衆性のバランス感覚がにじむ楽曲だった。スガシカオのファンクネスや絢香の伸びやかな歌声も、それぞれのファン層にしっかりと届いていたことがランクインから伝わってくる。

洋楽に目を向ければ、JASMINEの「SAD TO SAY」やローラ・イジボーの「SHINE」、ベースメント・ジャックスの「RAINDROPス」といった楽曲も並び、R&Bやソウルフルな歌声、フロアユースのダンスサウンドまで、ジャンルの垣根を越えた選曲がなされていたことがわかる。「TOKIO HOT 100」というチャートそのものが、洋邦問わず今のムードを切り取るという編集方針を持っていたことが、このTOP10からも見て取れる構成だ。

こうして振り返ると、2009年7月のこの週は、ポップスとダンスミュージック、ロックとソウルが同じ土俵で鳴り響いていた、まさに過渡期らしい多様性に満ちた瞬間だったといえる。木村カエラの「BUTTERFLY」が1位に立った背景には、彼女自身の音楽性の幅広さと、夏という季節が求める開放感が見事にマッチしていたことがあるのだろう。当時この番組を聴いていたリスナーにとって、このTOP10は単なる順位表ではなく、その夏の空気そのものを記憶に刻む一枚のスナップショットだったに違いない。

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2009年7月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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