TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年9月23日放送)

TOKIO HOT 100 1990-09-23 放送回ランキング ランキング

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1990年9月23日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年9月23日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年9月23日放送の「TOKIO HOT 100」で首位に立ったのは、プリンスの「THIEVES IN THE TEMPLE」。彼が主演・監督を務めた映画『グラフィティ・ブリッジ』に連なる楽曲で、それまでのファンクやポップの華やかさとは一線を画す、陰影の濃いミステリアスなサウンドが印象的でした。シンセサイザーが作り出す重厚な空気と、宗教的・儀式的なムードを漂わせるアレンジは、80年代の煌びやかなプリンス像から一歩踏み出し、より内省的で実験的な作家性を打ち出していた時期の彼を象徴する一曲だったと言えるでしょう。1990年という節目の年に、こうした翳りのある楽曲が支持を集めていたこと自体、時代の空気を映していたのかもしれません。

2位に入ったジョージ・マイケルの「PRAYING FOR TIME」も、聴きどころの多い一曲でした。ソロアーティストとしての方向性を強く打ち出したアルバムからのナンバーで、それまでのアイドル的な華やかさとは異なり、社会の在り様に目を向けるような硬質なトーンが特徴的。派手なビジュアルや踊れるグルーヴに頼らず、歌そのものと言葉の重みで聴かせようとする姿勢は、80年代的なポップスターの在り方からの脱却を感じさせるものでした。

3位のシリエ、そして北欧勢の存在も、この時期のTOKIO HOT 100らしい選曲眼を感じさせます。ヒットチャートの主流とは少し違う角度から良質なポップスを拾い上げてくる姿勢は、東京のFM局ならではの都市的なリスナー感覚を反映していたのでしょう。4位のジャネット・ジャクソンによる「BLACK CAT」は、それまでのダンサブルな路線からロック色の強いギターサウンドへと踏み込んだ意欲作で、彼女自身が持つ表現の幅広さを示す一曲です。

邦楽勢からただ一組、5位にランクインしたサザンオールスターズの「真夏の果実」は、夏の終わりの切なさをたたえたメロディが際立つ楽曲。洋楽が並ぶチャートの中にあって独特の湿度と情緒を放ち、季節の移ろいをリスナーに強く印象づけたはずです。9月下旬という放送日を考えると、夏の名残を惜しむようなこの曲の存在感は、番組全体の空気に一つのアクセントを与えていたのではないでしょうか。

6位のデュラン・デュラン、7位のニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックは、それぞれ80年代からの人気を保ちながら新たな時代に適応しようとしていたアクトたち。8位のマライア・キャリーによる「VISION OF LOVE」は、彼女のデビューを飾った記念碑的な楽曲で、この後90年代を通じて築かれていく圧倒的な歌唱表現の原点がここにありました。9位のウィルソン・フィリップスは、ハーモニー重視のポップスがまだ根強い支持を得ていたことを物語り、10位のザ・タイムはプリンス人脈のファンクバンドとして、1位の楽曲とも響き合う存在です。

洋楽の多彩な潮流と、季節感を宿した邦楽の一曲とが同居するこの週のTOP10は、90年代への移行期特有の緊張感と実験精神を映し出しています。プリンスが見せた翳りのある表現主義が首位を飾ったことは、単なる人気投票にとどまらない、当時のリスナーの耳の確かさを物語っているように思えてなりません。

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1990年9月23日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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