1995年10月1日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1995年10月1日放送回)。
この週の音楽シーン
1995年10月1日にオンエアされたJ-WAVE「TOKIO HOT 100」のTOP10を振り返ると、90年代半ばという時代の空気が凝縮されているのがわかる。首位に立ったのはレニー・クラヴィッツの「ROCK AND ROLL IS DEAD」。タイトルからして挑発的なこの曲は、ロックンロールという言葉そのものを主題に据え、ヴィンテージな質感のギターサウンドとファンク的なグルーヴを同居させた一曲だった。80年代後半から一貫して「懐古趣味」と評されながらも、その実は過去のロック語彙を自分なりの身体感覚で再構築するのがクラヴィッツの手法であり、この曲はまさにその作家性が凝縮された仕事だったと言える。
2位のレッド・ホット・チリ・ペッパーズ「WARPED」も見逃せない。アルバム『One Hot Minute』からのナンバーで、デイヴ・ナヴァロ加入後の、より重くサイケデリックな質感を持ったバンドの一面を示す曲だ。フリーのベースが唸りを上げ、アンソニー・キーディスのヴォーカルもやや陰影を帯びている。90年代前半のファンクロック的な明るさから一歩踏み込んだ、バンドの過渡期を象徴する存在として位置づけられる。
一方、3位に食い込んだブラーの「COUNTRY HOUSE」は、同時期のブリットポップ・シーンを語るうえで欠かせない一曲だ。イギリスの音楽メディアを巻き込んでオアシスとのシングル対決が話題になったことでも知られ、英国的なユーモアと風刺を効かせた歌詞世界、ダミアン・ハーストが手がけたミュージックビデオも含めて、当時のUKロックの熱量を伝える曲だった。海の向こうの盛り上がりが、東京のFM局のチャートにもしっかり届いていたことがうかがえる。
4位のマライア・キャリー「FANTASY」、5位のジャネット・ジャクソン「RUNAWAY」は、90年代のR&B・ポップシーンの充実ぶりを物語る。特に「FANTASY」はオールドスクール・ヒップホップのサンプリングを大胆に取り入れ、ODBを客演に迎えるなど、当時としては新しい試みを見せたトラックであり、マライア自身の音楽的な幅の広がりを印象づけた一曲だった。
6位のスキャットマン・ジョンによる「SCATMAN」は、ユーロダンスとスキャットを融合させた奇抜な発想が世界的なヒットにつながった曲。7位のリサ・ローブ・アンド・ナイン・ストーリーズ「DO YOU SLEEP?」は、フォーキーで内省的なソングライティングを聴かせるオルタナ系シンガーソングライターの存在感を示している。8位のシンプリー・レッドや9位のデイナ・ドーソンは、ソウルフルな歌唱を軸にしたポップスの層の厚さを感じさせるし、10位のザ・レンブランツ「I’LL BE THERE FOR YOU」は、同時期に始まった人気テレビドラマの主題歌として親しまれ、テレビとポップミュージックが分かちがたく結びついていた時代性を今に伝えている。
グランジ以降のロックが次の形を模索し、ブリットポップが海を越えて話題をさらい、R&Bとダンスミュージックが多様化を続けていた1995年秋。このTOP10は、ジャンルの境界がまだ緩やかに保たれながらも、それぞれのシーンが確かな熱を持っていた時代の断面を、静かに、しかし雄弁に物語っている。
1995年10月1日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 ROCK AND ROLL IS DEAD — LENNY KRAVITZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 WARPED — RED HOT CHILI PEPPERS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 COUNTRY HOUSE — BLUR ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 FANTASY — MARIAH CAREY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 RUNAWAY — JANET JACKSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 SCATMAN — SCATMAN JOHN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 DO YOU SLEEP? — LISA LOEB AND NINE STORIES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 FAIRGROUND — SIMPLY RED ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 3 IS FAMILY — DANA DAWSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 I’LL BE THERE FOR YOU — THE REMBRANDTS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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